■研究活動 共同研究 2003年度

日本人の異界観-その構造と意味

「異界」とは日常生活の向こう側として想定される世界です。日本人、ひいては人間はなぜ異界をイメージすることを欲するのか、それは何を人びとにもたらすのでしょうか。  本研究は、環境・人間(異人)・霊魂(神・妖怪)をキーワードにしつつ、前近代の日本人がイメージしてきた異界観に焦点を合わせ、とくにその構造と意味を浮かび上がらせ、さらに現代に至る異界観の変容過程を考察することによって、この課題を解き明かすことを目的としています。  異界には、大別して、物理的・空間的に遠距離ではあるが踏査可能な異界と、人間の想像力が生み出した異界(死後観を含む)とがあります。とりわけ本研究で考察しようとしているのは、後者の異界であり、民俗世界での異界観を中心に据えながら、順次、文芸や芸術、映像作品の領域へと討論の視野を広げ、現代の日本人の異界観を照射する手掛かりを探り出したいと思います。

代表者 小松 和彦 国際日本文化研究センター研究部・教授
幹事 山田 奨治 国際日本文化研究センター研究部・助教授
班員 阿部 泰郎 名古屋大学大学院文学研究科・教授
飯島 吉晴 天理大学文学部・教授
斎藤  純 天理大学文学部・助教授
佐々木高弘 京都学園大学人間文化学部・助教授
關  一敏 九州大学大学院人間環境学研究院・助教授
高岡 弘幸 高知女子大学文化学部・助教授
橘  弘文 大阪明浄女子短期大学・助教授
常光  徹 国立歴史民俗博物館民俗研究部・助教授
土居  浩 ものつくり大学技術工芸学部・講師
徳田 和夫 学習院女子大学国際文化交流学部・教授
内藤 正敏 東北芸術工科大学東北文化研究センター・教授
永松  敦 椎葉民俗芸能博物館・副館長
井波 律子 国際日本文化研究センター研究部・教授
テモテ・カーン 国際日本文化研究センター海外研究交流室・助教授
川村 邦光 大阪大学大学院文学研究科  国際日本文化研究センター研究部 ・教授客員教授
田中 貴子 京都精華大学人文学部  国際日本文化研究センター研究部 ・客員助教授助教授
スーザン・バーンズ テキサス大学  国際日本文化研究センター研究部 ・準教授外国人研究員
デービット・ハウエル プリンストン大学  国際日本文化研究センター研究部 ・準教授外国人研究員
朴  銓烈 中央大学校  国際日本文化研究センター研究部 ・教授外国人研究員