■研究活動 共同研究 2000年度

王権と神祇

本研究の目的は、全体として、20世紀最後の段階に於て、神祇・神道に焦点をあてながら、日本の王権と宗教に関する新たな見取り図を準備することである。こうしたテーマは従来は王権と仏教の関係、すなわち顕密体制論として読み直されてきたが、本研究が直接の課題とするのは、王権と宗教に 関する全体を見通すために、まずは王権と神祇の関係を洗い直すことである。学界には、戦後永らく、戦中期国民精神としての神道イメージへの反発がありましたが、今やそうしたイデオロギー偏重の見方から脱却し、新たな神道・神祇史を立上げることが要請されている。こうした目的から、歴史学のみならず、日本文学・民俗学・宗教学の研究者を糾合し、日本社会の王権と神祇をめぐる構造を、東アジア世界にフィードバックし、なおかつ東アジア世界から再発信するために、中国・台湾・韓国の宗教学者との交流も視野に入れつつ、共同研究を実施することによって、王権と宗教の関係についてのパラダイムの修正を迫るものである。

代表者 今谷  明 横浜市立大学国際文化学部 国際日本文化研究センター研究部 ・教授客員教授
幹事 千田  稔 国際日本文化研究センター研究部・教授
班員 赤坂 憲雄 東北芸術工科大学東北文化研究センター・所長
阿部 泰郎  名古屋大学大学院文学研究科・教授
伊藤  聡 早稲田大学第二文学部・非常勤講師
大谷 節子 神戸女子大学文学部・助教授
岡田 荘司 國學院大学文学部・教授
エミリア・ガデレワ 四国大学文学部・講師
嵯峨井 建 賀茂御祖神社・権祢宜
白山芳太郎 皇學館大学文学部・教授
高橋美由紀 東北福祉大学社会福祉学部・教授
田中 貴子 京都精華大学人文学部・助教授
中村 生雄 大阪大学大学院文学研究科・教授
西岡 芳文 神奈川県立金沢文庫・学芸員
西宮 秀紀 愛知教育大学教育学部・助教授
西山  厚 奈良国立博物館資料管理研究室・室長
西山  克 京都教育大学教育学部・教授
西山 良平 京都大学総合人間学部・教授
兵藤 裕己 成城大学文芸学部・教授
松岡 心平 東京大学大学院総合文化研究科・助教授