イジュウ,マミ,コアミ 1974年 三重県 寛政9年のこと、伊勢国櫛田において民家の井戸のなかに落ちていた異獣が捕まった。形は牝犬のようで、4足の爪は鋭く鷲の爪のようだった。その後ある下総から来た旅人は、自国のマミというものであろうと言う。また伊勢の山中にはコアミという獣もいて、狸の大きいものに似ている。しかし井戸の中に落ちたのはそれではない。
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カワウソノゴトキケダモノ,ライジュウ,カイジュウ 1922年 徳島県 文化の頃、航海中に落雷があって、その後獺のような獣が船中にいたので、雷獣として見世物にした。
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ケモノ,タヌキ 1978年 愛知県 三河国小坂井村の茶屋の井戸へ大雷の際に落ちた獣は狸に似ていた。これを捕えて食べ物を与えたが何も食べずについには死んだ。
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(ネコノシタイヲクウケモノ),シイ 1974年 京都府 安永年間に山城国八幡のあたりに猫の死体を食う獣がいた。大きくはないが、人を恐れずに食べ終わったら淀の方へ去った。犬たちが襲いかかっても、この獣の一咬みで死んでしまう。人は黒〓という獣かと言いあった。
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ライジュウ,テンビ 1937年 秋田県 落雷した時、火柱が立ち、雷獣が木をかけ上る。この落雷を特に天火ともいう。
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キツネ,タヌキ 1923年 和歌山県 狐と狸は人を騙す獣だとされる。
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イジュウ 1978年 長野県 信濃の更科山では夏の雷の時期に、小獣が石穂に現れ、イナゴのように飛んで雲に入る。
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クダキツネ 1974年 長野県 ある人が信州伊奈郡松島宿の村で怪獣を殺した。猫ほどの大きさで顔は獺の如く、毛は全て灰色で尾は太く鼠のようだという。誰も見た事がなかったが、信州の方言である「管」という獣とされた。これは妖物で、人に姿を見せず、代々これが憑いている家があるという。
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オカンダチ 1958年 神奈川県 雷をオカンダチという。落雷で裂けた木の裂け目は雷獣が空に駆け上がった時の爪の跡だという。
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カミナリノトリ,ライジュウ 1983年 加賀国の白山や信濃国の浅間山には雷獣がいるという。これは狐のような獣で、時々捕らえられて京都や大阪で見せ物にするという。この雷獣を食べる鳥がおり、それは雷の鳥という。白山の山頂に多く見られるという。
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ツメタテ 1956年 岐阜県 ツメタテの取り付いた人は身体に獣の爪を立てられたような傷痕ができる。ツメタテスジの人が取り付いたときに爪を立てるからだという。クダギツネは背に筋があって、尻尾が大きく、天上を逆に歩くことが出来る。30年ほど前、老女が赤子「ああ可愛い」言った後、3月で赤子は死んだ。人の爪で掴んだような跡があり、老女の生霊の仕業だと言われた。
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クダ 1956年 長野県 『想山著聞奇集』にクダという獣を討ち取ったという話があるが、そこではクダは猫に似て尾の長い獣として見取図に描かれている。
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ニソクノヘビ 1975年 和歌山県 宝暦5年夏、紀州在田郡湯浅で怪しい蛇が捕らえられた。形は蛇に似て色が黒く、身は肥えていた。長さ6尺3寸、胴回り7寸で、針鼠の毛のような指がついた足が2本生えていた。舌は獣のようであり、尾の先は角のように尖っていた。
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イジュウ 2000年 新潟県 娘が機を織っていたら、窓の外に異獣が現れた。飯櫃を指差すので、握り飯を握って与えると異獣は喜んだ。それから時々、異獣は握り飯をもらいに来た。ある時、娘に生理がきて機屋に入れなくなった。期日に遅れてしまうので困っていたら、異獣が生理を止めてくれた。
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テングノツメ 1978年 石川県 能州石動山の林の中に天狗の爪というものがあり、色は青黒く、長さは5分程で、石のようであり先がとがり、獣の爪のようである。地元の人が雷雨の後に林の中で発見したという。水に入れて飲むと瘧が治るという。
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キュウビノキツネ 1976年 九尾の狐と言えば悪狐だと考えられているが、元来は瑞獣である。
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タマモノマエ,キュウビノキツネ 1978年 九尾の狐は瑞獣であるので、あえて憎むべきものではない。
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フッテキタジュウモウ 1993年 東京都 糀町で暴風雨の夜、獣の毛が降ってきた。麹町あたりでは、獣が馬のようなものを食べながら飛んでいるのを見た人もいる。『山海経』の天馬のようなものか。
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タヌキ 1920年 徳島県 爪を長くのばすと爪の間に狸が宿る。
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ユメ 2002年 山口県 20年ほど前子供が小さかった頃、2、3年の間、獣が罠にかかるのが夢で見えた。
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ケモノ(ゾクシン) 1932年 愛知県 蕎麦餅を山へ持って行くと獣に化かされるという俗信。
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