トロロ 1956年 宮城県 一月五日の早朝、年男は戸口の敷居に鳥の羽でトロロを引く。そしてトロロを食べ、神前に小豆飯を供える。トロロを引くと、悪病が戸口から侵入するのを防ぐという。
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イヌガミモチ 1922年 山口県 寒餅を搗いている時、犬神持が通りかかるとその餅は忽ち糊のようにトロトロになり固まらないことがある。そのときはその犬神持の家に餅をやればよい。
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(ゾクシン) 1939年 新潟県 正月5日間のうちに、トロロを食べると、中風にかからないといわれている。
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キツネ 1989年 鹿児島県 昔は町に行って鰯をかついで戻ってくると、戻ってきたときにはその魚がないことがあった。
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コソダテユウレイ 1937年 兵庫県 嫁さんが毎晩六文銭をもって飴を買いに来た。店屋の親父が不思議に思い、嫁さんの跡をつけると、嫁さんは墓場に行き墓の中に入ってしまった。それはこのあいだ腹の大きな嫁さんを埋めた墓だった。墓を掘り返すと、死んだ嫁さんの側で、子供が飴をくわえて生きていた。
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テング 1987年 富山県 天狗につかまった人がとんがり岩で暮らしていた。一度村に戻ってきたが、乾かしている物があるといって岩に戻り、村には戻って来なかった。
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(ヨミジガエリ) 1982年 新潟県 行こうと思ったけれど、戸が開かないので戻ってきた。
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キツネツキ 1964年 福島県 きつねにだまされて山から戻ってこなくなった人がある。
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オオキナヘビ,ジャ,リュウ 1991年 高知県 昔の話だが、山へ夫婦2人で木を切りに行って、昼頃嫁さんが谷川へ水を汲みに行った。すると戻らないので旦那さんがみにいくと、嫁さんは大きな蛇に飲まれていた。すぐに助けたからよかったけれど、飲まれないように蔓を巻いた木を持たせたが、気が緩んで飲まれてしまった。
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キツネ 1985年 和歌山県 山にシタガリに行ったときのこと。山に登っていくと、下から「戻ってこい」と呼ぶ声がしたから戻ったが、誰もそんなこえはかけていなかった。キツネの仕業。
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キツネ 1936年 新潟県 穴に住んでいた狐が居なくなった。ある日婆さんが寺の嫁さんに会って砂糖をもらった。しかし本当の嫁さんは、その日全く違った所にいた。おそらく狐が嫁さんに化けて婆さんに昔の恩返しをしにきたのだろう。
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キツネ 1963年 岡山県 狐は娘に化ける。1950年前後の春の夜、黒い犬が追ってくるので石を投げようとしたら、隣の娘だった。一緒に行こうと待っていてもこないので振り返ると、いなかった。隣の娘はずっと家にいた。その妹娘も同じように見かけられたことがある。猟師が狐を仕留めてから、そんな怪異はなくなった。
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キツネノチョウチン 1994年 京都府 子供の時分、狐が提灯を灯すのを見たことがある。狐が提灯を灯しているという母の声に慌てて外に出てみると、はるか向こうの山すそに青白い光があっちに行ったりこっちに戻ったりしていた。
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キツネ 1987年 奈良県 子供の頃、父親が夜道を帰っていたら、向こうから提灯がいくつも来た。迎えに来てくれたと喜んだが、提灯が向こうに見えるだけで、足元に来なかった。狐にだまされたのだろうと言っていた。
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キツネ 1996年 香川県 当吉さんは山へ行って、きつねに化かされて、いつまでたっても家へ戻って来られなかったことがあった。村の人が行くと、そこに当吉さんがいることがあった。
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(ショクニカンスルキンキ) 1956年 宮城県 舞玉の木(正月の行事でミズの木に餅をつけて座敷に飾る木のこと)で団子を刺して食べると死ぬという。味噌を踏めば足が腐る。トロロを食べた茶碗で茶を飲むと中風になる。熱い湯を飲み過ぎれば毛髪の薄い子が生まれる、などの禁忌がある。
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キツネノヨメイリ 1984年 山梨県 キツネの嫁入りといって、提灯の灯が向こうの山に灯ることがあった。
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タヌキ 1992年 奈良県 朝の薄暗い時に納屋に柴を取りに行ったら、隣の娘さんが黄八丈の着物を着て駒下駄を履き歩いていた。娘さんは下を向きながら歩き、角を曲がった。しばらくしたら、狸が走って出てきた。夜が明けてから娘さんに尋ねたが、その時間には出歩いていなかった。狸が娘さんに化けたのだろうと言っていた。
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カカシサマ 1982年 新潟県 11月15日を案山子アゲといって、ボタ餅をつくって戸棚に供える。この日は案山子様が足をすべらせて天へいけないから、トロロを食べることを禁じている。
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メヒトツコゾウ 1978年 静岡県 目一つ小僧は履物や洗濯物を外に出しておくとそれに判を押して行き、判を押されたものを身につけると患うので、そうしたものは全て家の中にしまっておく。
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タヌキ 1933年 奈良県 幕末の頃、夜山道を歩いていると、向こうから同じ様な行列がやって来る。提灯の数も同じで、こちらが止まれば向こうも止まる。不審に思いながらも人家のあるところまで行くと、向こうから来た行列は跡形もなく消えてしまった。
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