カッパ 1984年 長野県 麦代つくりの頃にやってきた男はよく働いた。しかし蓼の入った味噌汁を飲んだ時から来なくなった。翌年はやってきたが、彼の働きをねたむ者が蓼を汁に入れたので、男は血を吐きながら淵に身を投げた。彼は河童の化身だったのだろう。
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カッパ 1928年 愛知県 田辺家に棲んでいた河童は農作の手伝いをした。来客の折に天龍川から鯇魚(アメノウオ)を2匹捕ってきて、台所口へ出しておくこともした。
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ダイジャ 1973年 広島県 竜王山の麓に大蛇が住んでいると伝えられている蛇淵がある。淵の傍らには龍王を祀った祠が建っている。この淵を汚すと必ず雨が降るというので、雨乞いに牛馬の骨を投げ込むという。
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フチノヌシ 1928年 静岡県 昔、一人の物持ちがいた。その家は淵の主から膳椀や金の融通を受けていたために栄えていたが、あるとき、淵の主が家を訪ねた際、蓼を出したら、しまったと叫び淵に落ちた。その姿は魚に変わり、オトボウと連呼しながら流れていった。それ以来、家運も傾いた。
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フチザル 1924年 岩手県 安部家の座敷にいたものは、近所の淵から上がってくる淵猿(=河童)というものだといわれた。
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サカナ,オトンボブチ 1971年 長野県 川の水が枯れても常に満水の淵があった。ある日、猟師がその淵のそばを通った時、魚が突然飛び上がって淵に飛び込んで「おとんぼよう」といった。それからおとんぼ淵と呼ばれるようになった。
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ヒメ 1973年 島根県 姫が淵は、淵の底で姫が機を織っていると伝えられている。淵に石を投げ入れると雨が降る。また、淵を干したら大雨になったという。
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フチザル,カッパ 1924年 岩手県 淵猿とは河童の異名。変な子どもが淵の岸の岩で遊んでいた。馬子はそれを河童だというが、和尚はそうではない、淵猿だといった。
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クモ 1929年 宮城県 澱橋の土手の淵で釣りをする男の足に蜘蛛が淵から出てきて糸をつけた。男がその糸を近くの柳の大木に移しておくと、突然柳が引き倒され、淵へ引きずり込まれた。そして、淵の中から「賢い、賢い」という声がした。この淵は賢淵と名づけられた。
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カッパ 1979年 岐阜県 殿様の小姓が水浴びをしていて河童にとられて死んだので、その淵をコジョウ淵というようになった。
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ガッパ,(カッパ) 1932年 熊本県 田川町の上手の淵の上で夏になると河童が背中を干していて、人影を見るとどぶーんと淵へ飛び込んだという。
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オニ 1932年 熊本県 ある金持ちの酒屋の主人が、百人前働く鬼を買った。鬼はよく働いたが仕事を与えないでいたら、主人を食べてしまった。鬼は主人を心配して出てきた奥さんも食べてしまった。
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カッパ 1974年 山梨県 遠所集落のおかま淵には河童が出るという。河童は淵で人を引き込み、肛門を抜く。
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リュウグ,リュウグフチ,(シンジョ) 2003年 山梨県 桂川の杵岩近くの深い淵を竜宮淵とよばれ、あそこに落ちてしまった1人の百姓が、淵の底に神女に会って、「何でも欲しい物の名を紙に書いて淵に投げいれるが良い」と神女にいわれたという。
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ヘビ 1997年 高知県 きれいな娘さんのもとに、男が毎晩来た。親父が跡をつけてみたら、洞穴の中に隠れた。そこで菜種油を流し込んで火をつけたら、燃えた蛇が飛び出してきた。蛇が淵に飛び込むと、淵の水が沸き上がった。それでわくが淵と言うようになった。
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ダイジャ 1957年 愛媛県 僧都の蛇淵は3人で囲む位だった。うちのばあさんが馬を追って草刈に行ったとき、馬が蛇淵で動けなくなったが、そこには大きな蛇がいた。
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ヘビ,オトボウフチ 1928年 静岡県 あるものがオトボウ淵に祈願し、無間の鐘を撞いて巨万の富をなした。その者の死後、オトボウ淵に蛇が出るようになった。それ以来、淵に近付くものは必ず、腰に蓼をつけていく。
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ノシ,カッパ 1932年 愛知県 のしの棲む淵の近くで草刈りをしていた女は、淵の方向から菅笠を被った小さい小僧がやって来るのを見た。直感的にのしだと思った女が、持っていた鎌を夢中で振り回したところ、驚いた小僧は石塊の様な形となって淵の中へ消えた。
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コモリ 1986年 埼玉県 桜ヶ淵という淵で子守りの子が死んでしまった。それから毎夜「ねんねんよ」と淵から子守り歌が聞えてくる。
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カッパ 1959年 愛知県 三河の田原家では屋敷のすぐ下にある青淵の河童が農作業を手伝ってくれたり、来客時にアメノウオを2尾づつ持ってきてくれたりした。この河童は、平日は同家の竈の上、または釜の蓋の上に住んでいたともいい、その河童が使った御器が今も伝わっているという。
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ヘビ 1971年 静岡県 淵で何か願いごとをたてればかなえられたので、そこから膳椀をかりる。時々淵の近くの家へ老婆が食い物を食べに来る。たぜを食わされ苦しみだし、生体を現し、「おともよさらば」と言って淵を流れていく。
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