大学共同利用機関シンポジウム2025

大学共同利用機関シンポジウム2025

大学共同利用機関
って何?

2025 10.4 (土)10:30 – 17:00

国際日本文化研究センター

聴講無料・申込不要、対面×オンラインのハイブリッド

国際日本文化研究センター

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Concept

大学共同利用機関シンポジウムについて

大学共同利用機関は、それぞれの機関が持つ研究資源の共同利用を通じて、
各学術分野を先導するさまざまな成果をあげてきました。

これらの成果は、毎年開催される大学共同利用機関シンポジウムで紹介されてきました。

一方で、研究予算や研究環境の変化、社会のニーズの多様化、
各研究分野の高度化・専門化などにより、大学共同利用機関の役割や課題が
機関や機構同士であっても相互に見えにくくなっています。

そこで今回は「大学共同利用機関そのもの」に焦点を当て、
各機関が一堂に会するこの機会に、さまざまな視点からその役割や課題を共有し、
大学共同利用機関の今後を考えるきっかけとすべく、シンポジウムを開催します。

タイムスケジュール

  • 10:30 - 10:35
  • 開会挨拶 井上 章一(国際日本文化研究センター 所長)
  • 10:35 - 10:40
  • 来賓挨拶 文部科学省(予定)

セッション1

大学共同利用機関の役割と機能
−大学共同利用機関だからこそできること−

司会:谷口 真人
(総合地球環境学研究所 特任教授)

  • 10:40 - 10:45
  • 趣旨説明 谷口 真人(総合地球環境学研究所 特任教授)
  • 10:45 - 10:57
  • 素粒子衝突の先に見る世界
    -Belle II 実験にできること-

    後田 裕

    素粒子原子核研究所 教授

    世界有数の国際共同事業として最先端の素粒子実験を行う Belle II 実験。高エネルギー加速器研究機構つくばキャンパスで稼働中の SuperKEKB 加速器によって人工的に起こす素粒子反応を、Belle II 測定器を用いて精密測定することにより、人類が現在までに知りえた素粒子標準理論の枠組みを超える新しい物理理論に関する知見を得ようとする計画である。知の最前線を開拓する計画の魅力と困難、挑戦を可能にするコラボレーションの取り組みについて紹介する。

  • 10:57 - 11:09
  • スピン生命科学:分子科学と生命科学の融合をめざして

    定藤 規弘

    生理学研究所 特任教授

    「スピン生命科学」は、分子から人体に至るまでの様々な階層に跨る生命現象を統合的に理解する融合領域である。今回は、生理学研究所・分子科学研究所・生命創成探究センターが組織した「スピン生命科学コア」を中心に、分子レベルの技術開発と個体レベルの生命現象を網羅した、幅広い階層を融合する新領域研究の展開を紹介する。共同利用・共同研究拠点や他の共同利用機関法人等と横断的に連携し、強力に推進することを目指しており、集約的設備とそれを運用できる人的資源を共同利用研究に供する組織運用ノウ・ハウをもつ大学共同利用機関ならではの試みである。

  • 11:09 - 11:21
  • 学術研究における「交わり」の価値
    ― DNA情報学で生物多様性を俯瞰して

    工樂 樹洋

    国立遺伝学研究所ゲノム・進化研究系分子生命史研究室 教授

    ヒトや実験生物を対象とした生命科学研究の熱は冷めない一方で、野外ではときに先端技術も適用されることもなく希少生物が消えてゆく。また、サンマのように、ヒトの依存に反して分子研究の基盤が未整備な種も多い。DNA情報は普遍的な生命の設計図であるからこそ生物多様性に偏りなく向き合うための礎ではないか?そのDNA情報に根差した自然科学研究を展開する拠点として大学共同利用機関を選んだ立場から、生態学などとの分野間の溝を埋めるべく進めてきた活動について紹介する。

  • 11:21 - 11:33
  • 言語資料の共同利用

    高田 智和

    国立国語研究所 共同利用推進センター長

    国立国語研究所は、創立以来実施してきた調査研究において収集・作成した資料(調査計画書、調査票、録音原本、言語地図、収録音声・画像など)を保存している。これらは、公的にも共同研究、若手育成等にデジタル化した上で、広く活用してもらうことの公益を通じて、共同利用に提供されている。

  • 11:33 - 12:10
  • パネルディスカッション
  • 12:10 - 13:20
  • お昼休憩

セッション2

大学共同利用機関の共同利用を支える ― 技術系スタッフの役割 ―

司会:関野 樹
(国際日本文化研究センター 教授)

  • 13:20 - 13:25
  • 趣旨説明 関野 樹(国際日本文化研究センター 教授)
  • 13:25 - 13:35
  • 核融合研究の最前線を支える技術の力

    村瀨 尊則

    核融合科学研究所 技術部設計開発技術課 技師

    核融合科学研究所では大型ヘリカル装置LHDをプラットフォームとして、これまで10万回以上のプラズマ実験を国内外の共同利用・共同研究に広く提供してきた。その中でも技術部は共同研究者に対し様々な研究支援を実施している。本講演では技術スタッフによる最近の活動事例として、LHDで最も高熱に曝されるダイバータ領域における機器の装置開発、技術開発などに触れ、核融合実験装置の性能向上に寄与する技術的貢献について報告する。

  • 13:35 - 13:45
  • 高度化する加速器施設 専門性の空白で得た果実

    牧村 俊助

    素粒子原子核研究所 先任技師

    高エネルギー加速器研究機構は、大学共同利用機関法人として、大型加速器を利用した加速器や物理に関する研究を推進しています。技術の先鋭化・専門性の深化に伴い、技術職員が独自のアイデアで、異分野からの技術を取り込み、組み合わせることが世界をリードする加速器の高性能化に直結します。本シンポジウムでは、これまでの技術開発と大学共同利用機関法人において技術職員が果たすべき役割に関する個人的な見解を紹介します。

  • 13:45 - 13:55
  • 南極隕石のキュレーション

    中藤 亜衣子

    国立極地研究所 南極隕石ラボラトリー学術支援技術専門員

    世界で登録されている隕石約7万個のうち、約7割は南極で採取されたものです。国立極地研究所 南極隕石ラボラトリーでは、日本の南極地域観測隊が回収した約1万7400個の隕石を収蔵しています。これらの貴重な試料を研究に活かすためには、的確な分類・整理・保管が不可欠です。隕石特有の取り扱いの難しさに加え、研究申請内容に応じた試料分割や配分準備、保管環境の維持など、技術系スタッフの役割と実務について紹介します。

  • 13:55 - 14:05
  • 博物館資料撮影の現場から:研究を支える技術職員の役割

    酒井 康平

    国立歴史民俗博物館 管理部博物館事業課主任/技術職員

    発表者は国立歴史民俗博物館の技術職員として、博物館資料の写真撮影を専門に担当している。館内での所蔵資料や借用資料の撮影に加え、「日本関連在外資料調査研究」などの共同研究にも参加し、海外の研究機関での資料撮影や画像データの作成を行っている。これらの業務を通じて研究支援を行い、大学共同利用機関としての歴博の役割の一端を担っている。本発表では、こうした実務の具体例を紹介し、研究支援の現場から見える機関の機能について考察する。

  • 14:05 - 14:15
  • “文献の共同利用化”という機能:国際日本文化研究センター図書館

    江上 敏哲

    国際日本文化研究センター 情報管理課資料利用係長

    国際日本文化研究センターは、共同研究や世界の日本研究への支援等、研究活動と研究協力の2つを活動の柱とする。その研究協力の最前線にあるのが図書館による文献の提供である。閲覧利用、ILL(文献複写・図書館間貸出)、デジタルアーカイブの公開等によって、国内・海外を問わず文献を広く提供することを実践してきた。その活動は、大学共同利用機関としての使命に基づくだけでなく、そもそも図書館というもの自体が文献を共同利用化するという機能を持つことによるものでもある。

  • 14:15 - 14:50
  • パネルディスカッション
  • 14:50 - 15:10
  • 休憩

セッション3

社会とともに歩む大学共同利用機関
− よりよい未来を築くための連携の形を探る −

司会:駒居 幸
(国際日本文化研究センター 特任助教 / 人文知コミュニケーター)

  • 15:10 - 15:15
  • 趣旨説明 駒居 幸(国際日本文化研究センター 特任助教 / 人文知コミュニケーター)
  • 15:15 - 15:30
  • 大学共同利用機関法人としてのKEKの取り組み

    足立 伸一

    高エネルギー加速器研究機構 理事

    調整中

    テキストテキストテキストテキストテキストテキストテキストテキストテキストテキストテキストテキストテキストテキストテキストテキストテキストテキストテキストテキストテキストテキストテキストテキストテキストテキストテキストテキストテキストテキストテキストテキストテキストテキストテキストテキストテキストテキストテキストテキストテキストテキストテキストテキストテキストテキストテキストテキストテキストテキストテキストテキストテキストテキストテキストテキストテキストテキストテキストテキストテキストテキストテキストテキストテキストテキスト

  • 15:30 - 15:45
  • 自然科学研究系の大学共同利用機関が為すべきこと

    中村 敏和

    分子科学研究所特任部長(研究戦略担当)/チームリーダー

    学術深化と研究設備の高度化が進む今、大学共同利用機関は以下の課題に取り組む必要があります。社会理解を深めるため、総合知を推進し融合学際研究の環境を整備すること。高額化した研究設備・人材を含む研究資源の効率的活用を促進すること。そして、研究支援・成果発表・社会実装を担う若手研究マネジメント人材の重要性を社会に広く周知することです。これらの観点から、今後の大学共同利用機関のあり方を議論します。

  • 15:45 - 16:00
  • データサイエンス共同利用基盤施設と統計数理研究所によるデータ分析環境の整備と提供
    -社会と研究をつなぐ公的統計ミクロデータ-

    岡本 基

    統計数理研究所 運営企画本部企画室URAステーション主任URA/特任准教授

    平成19年の統計法改正以来、公的統計ミクロデータの研究利用を促進すべく、様々な施策が実施されてきました。その1つとして、リモートアクセス型オンサイト利用の制度が導入され、各地にオンサイト施設の設置が進められています。情報・システム研究機構は、(独)統計センターと連携協力協定を締結し、ミクロデータ利用促進とオンサイト施設設置支援に係る事業を展開しています。本講演では、事業を推進するDS施設・統数研における活動、オンサイト施設概要、官学協同によるコンソーシアムなどについて紹介します。

  • 16:00 - 16:15
  • 大学共同利用機関としての博物館の活用と可能性

    松尾 瑞穂

    国立民族学博物館 教授

    国立民族学博物館は、34万5千点の資料を収蔵する世界でも最大規模の民族学博物館を有する大学共同利用機関である。民博では、各個研究から発展させた、さまざまな大学・組織の研究者との共同研究と同時に、研究成果公開の一環としての展示活動が行われている。大学共同利用期機関が博物館を持つということは、どのような意味や可能性があるのだろうか?本発表では、民博の機能のうち、展示活動、データベース、みんぱっく(貸出用学習キット)、大学授業におけるみんぱく活用の事例を紹介し、大学共同利用機関が有する博物館の可能性について報告する。

  • 16:15 - 16:40
  • パネルディスカッション
  • 16:40 - 16:50
  • まとめ
  • 16:50 - 17:00
  • 閉会挨拶 土居 守(国立天文台 台長・大学共同利用機関協議会 会長)

参加機関紹介

各研究機関のボタンをクリックすると、
紹介ページをご覧いただけます。

人間文化研究機構(NIHU)は、国立歴史民俗博物館、国文学研究資料館、国立国語研究所、国際日本文化研究センター、総合地球環境学研究所および国立民族学博物館の6つの人間文化にかかわる大学共同利用機関によって構成されています。各機関はそれぞれの設立目的を果たしながら基盤研究を進めるとともに、学問的領域を超えて協働し、自然環境等も視野に入れた、人間文化に関する総合的研究拠点を形成しています。また、膨大な文化資源に基づく実証的研究、人文学の総合化を目指す理論的研究および自然科学との連携も含めた新しい研究領域の創成に努め、人間文化に関わる総合的学術研究の国際的拠点を目指しています。

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自然科学研究機構(NINS)は、宇宙、エネルギー、物質、生命等に係る大学共同利用機関(国立天文台、核融合科学研究所、基礎生物学研究所、生理学研究所、分子科学研究所)と、直轄の2つのセンター(アストロバイオロジーセンター、生命創成探究センター)を設置・運営し、自然科学分野の国際的研究拠点として、世界を牽引する最先端研究を推進するとともに、全国の大学等の研究者に共同利用・共同研究の場を提供しています。これらの共同利用・共同研究を通じて、参加した大学等と大学共同利用機関の成果が生まれ、大学等の研究力強化と新たな研究分野の創成に貢献しています。

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高エネルギー加速器研究機構(KEK)は、最先端の大型粒子加速器を用いて、素粒子や原子核の研究から原子や分子レベルでの物質の構造や機能の研究、生命体の生命活動の研究まで、幅広い基礎科学の研究を行っています。高エネルギー加速器とは、電子や陽子などの粒子を、ほぼ光の速さまで加速して、高エネルギーの状態を作り出す装置です。この高エネルギー状態から作られる素粒子の世界を研究すると、誕生直後の宇宙の様子を探ることができます。また、加速器が作る光や陽電子、中性子、ミュオンなどの量子ビームは、倍率の高い顕微鏡として、これまでに見ることができなかった物質の構造や、生命活動の研究を行うことができます。

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情報・システム研究機構(ROIS)は、大学共同利用機関である国立極地研究所、国立情報学研究所、統計数理研究所、国立遺伝学研究所の4つの研究所と、直轄の1施設で構成されています。21世紀の重要な課題である生命、地球、自然環境、人間社会などの複雑な問題を「情報」と「システム」という視点から捉え直し、データサイエンスを推進することにより分野の枠を越えた研究を行い、その解決を目指しています。2016年度にはデータサイエンス共同利用基盤施設(ROIS-DS)を新たに設置しました。私たちは、多くの研究機関や大学、さらに企業や一般にも設備と情報を公開し、オープンサイエンスの活動を進めることにより、様々な社会課題の解決に挑戦し続けます。

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日本の宇宙科学研究の核でもある宇宙科学研究所。
その宇宙科学研究所を知ることは、日本の宇宙科学を知ることにもなります。
また我々は、一般の人々が宇宙科学に理解と関心を深めていただけるよう、積極的に活動していきます。

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総合研究大学院大学(総研大)は、大学共同利用機関等との緊密な連携及び協力の下に、世界最高水準の国際的な大学院大学として学術の理論及び応用を教育研究して、文化の創造と発展に貢献することを理念に、1988年に我が国初の国立大学院大学として創設されました。この理念に基づき、基礎学術分野において国際的に通用する高度の研究の資質を持つ広い視野を備えた研究者の育成を目的とし、学融合により従来の学問分野の枠を越えた国際的な学術研究の推進並びに学際的で先導的な学問分野の開拓を目指します。

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参加方法・アクセス

会場参加

日文研講堂での現地参加、
YouTubeライブ視聴共に、
事前申込は不要で
出入り自由となります。

会場:国際日本文化研究センター 講堂

京都府京都市西京区御陵大枝山町3丁目2番地
アクセス情報はこちら

【無料送迎バスについて】
シンポジウムの開演・終演時間に合わせて無料送迎バスを運行します(便数と座席には限りがあります)。無料送迎バスの運行情報は、 9月中旬頃に本ページに掲載する予定です。

【ご来場時のご注意】
※ ご来場にはバス等の公共交通機関をご利用ください。
※ お車でのご来場は近隣へのご迷惑となりますので、お断りしております。移動について配慮が必要な方は、事前にご相談ください。その他、ご不明な点は、お問い合わせください。

【お問い合わせ先】
総務課総合情報発信室事務室広報係
kouhou*nichibun.ac.jp(*を@に置き換えてください)

    関西国際空港から

  • ■「乗合いタクシー(要予約)」で約150分

    JR京都駅から

  • 〈烏丸中央口〉
    ■京阪京都交通バス「21」「21A」「26」:約45分
  • 〈烏丸中央口・八条口〉
    ■タクシーで約40分

    JR桂川駅から

  • ■ヤサカバス「1」「6」: 約30分
  • ■タクシーで約20分
  • (JR京都駅からJR桂川駅までは、大阪方面行き〈普通〉に乗車で約10分)

    阪急桂駅(西口)から

  • ■京都市バス「西5」「西6」: 約30分
  • ■京阪京都交通バス「20」「20B」: 約20分
  • ■タクシーで約15分

    ※バスはいずれも
    「桂坂小学校前」又は「花の舞公園前」下車で徒歩約5分

オンライン参加

YouTubeライブで会場の様子を同時配信します。
事前申込は不要でどなたでもご覧になれます。

お時間になりましたら、以下のロゴからチャンネルにアクセスし、ライブ配信をご覧ください。

開催概要

イベント名
大学共同利用機関シンポジウム2025
日時
2025年10月4日(土)10:30〜17:00
開催趣旨
大学等の共同研究・共同利用を支える大学共同利用機関が一堂に会するこの機会に、「大学共同利用機関そのもの」に焦点を当て、さまざまな視点からその役割や課題を共有し、大学共同利用機関の今後を考えるためのきっかけとすべく、シンポジウムを開催します。
主催
大学共同利用機関協議会
一般社団法人大学共同利用研究教育アライアンス
後援
文部科学省
会場
国際日本文化研究センター (京都市西京区御陵大枝山町3丁目2番地)
オンライン同時配信(YouTubeライブ)

お問い合わせ

大学共同利用機関協議会 広報ワーキンググループ事務局(国際日本文化研究センター

〒610-1192 
京都市西京区御陵大枝山町3丁目2番地
総務課総合情報発信室事務室広報係 kouhou*nichibun.ac.jp(*を@に置き換えてください)