■トピックス  2019年

2019-12-26 日文研の話題

日文研・アイハウス連携フォーラムを開催しました(2019年11月22日)

 11月22日、東京都港区の国際文化会館講堂にて、日文研・アイハウス連携フォーラムを開催しました。

 本フォーラムは、公益財団法人国際文化会館(アイハウス)と連携し、現代日本と日本人への理解を多角的に深めるため、2014年から実施しています。18回目となる今回は、磯前順一教授が「日文研の30年―その批判的・分析的な回顧および展望」と題して講演を行い、36名が参加しました。

 日文研は1987年、哲学者の梅原猛とフランス文学者の桑原武夫が中心となり、日本研究の国際的・学際的・総合的拠点として構想され、京都に設立しました。しかしその後30数年を経て、国内外における「日本研究」を取り巻く情勢が大きく変化するなか、日文研もまた一つの岐路に立っているといえます。磯前教授は、研究・国際部門の研究調整主幹を務めたこの4年間を、1月に亡くなった梅原初代所長らが目指した“国際”日本文化がどういう形で成り立つのかを学ぶ格好の機会となった、と語りました。故人の志に追従するのではなく、それを受け入れ違った形で生かすためにも、 あらためて“国際化”を問い、多様な研究者が集まり価値ある議論が生まれる“主体”としての場所をつくること。そこに突破口を見いだせるのではないかとの展望を示しました。

 講演後にはまず、アンナ・ドゥーリナ外国人研究員が、ロシア人研究者にとって過去も現在も日文研は刺激的な場所であり続けていると、具体例をもとにコメント。続いてジェームス・E・ケテラー外国人研究員(シカゴ大学教授)は、近年シカゴ大と東大が取り組んでいるユニークな共同研究の事例を挙げ、今後は日文研も文理融合の学際的共同研究を活発に行うべきだと提言しました。参加者からは「“批判的”な視座からの議論は印象深く、日文研の現状に触れることができた」「今後の課題が難しく大きいことを実感した」との声が寄せられました。