■トピックス  2019年

2019-10-16 日文研の話題

報道関係者との懇談会を開催しました(2019年10月2日)

 10月2日、報道関係者との懇談会を開催しました。同懇談会は、日文研の研究活動や最新の成果、重点的取り組みなどを紹介して理解を深めてもらうと同時に、広く社会へ情報発信することを目的に年3回開催しています。

 57回目となる今回は、新聞社、テレビ局、出版社、地域広報等14機関の関係者と所内教職員、計67名が出席しました。

 まず、10月着任の2名の新任教員と夏以降に着任した9名の外国人研究員の紹介に続き、今年度後半の行事予定として、11月に京都府立京都学・歴彩館で開催する特別公開シンポジウム「天皇と皇位継承―過去と現在の視座」、12月に「国際日本研究」コンソーシアムが主催する「環太平洋学術交流会議」、来年2月にニューヨークで開催する海外シンポジウム等が紹介されました。また、10月末にフランスで実施するパリ・アカデミックプログラム及び映画「旗本退屈男」幻の衣装展を始めとする「大衆文化研究」プロジェクト関連の活動予定についても報告がありました。出版物では、安井眞奈美教授(編集長)が日文研発行の学術誌『日本研究』の最新号を紹介した他、井上章一教授とフレデリック・クレインス准教授がそれぞれの新刊著書について概要を語りました。

 最後の研究紹介では「歴史の物語性―実証主義とロマンのあいだ」と題し、荒木浩教授による司会のもと、呉座勇一助教が週刊誌等で論争を繰り広げている「学者」と「小説家」の歴史叙述に対するアプローチの違いをめぐって、磯前順一教授と呉座助教が対論を行いました。磯前教授が、実証主義とロマン主義いずれへの偏向も否定し、「自分の思い込みを跳ね返してくれる『他者性』をもって史料を読む」ことの重要性を説くと、呉座助教もそれに応じ、「結局、史料を読むのは『他者』を知る行為であり、自分を投影した時点で客観的学問にはなり得ない」と持論を展開しました。