■トピックス  2019年

2019-06-26 日文研の話題

日文研・アイハウス連携フォーラムを開催しました(2019年6月5日)

 6月5日、東京都港区の国際文化会館講堂にて、日文研・アイハウス連携フォーラムを開催しました。

 本フォーラムは、公益財団法人国際文化会館(アイハウス)と連携し、現代日本と日本人への理解を多角的に深めるため、2014年から実施しています。17回目となる今回は、日本およびアジアの舞台芸能を専門とするマウリシオ・マルティネス・ロドリゲス外国人研究員が、“Japanese Performing Arts in the Spanish-speaking World”(スペイン言語圏における日本の舞台芸能)と題して英語で講演を行い、53名の参加がありました。

 世界のスペイン語人口は5億7700万人といわれます。日本についてスペイン語圏では、古典や近現代文学等の翻訳出版を通じて知られてはいますが、舞台芸能に関する出版物はきわめて少ないといいます。そのため、マルティネス研究員は、日本の舞台芸能をスペイン語で紹介する百科事典ウェブサイトを自ら立ち上げて運営してきました。サイトでは、日本の伝統音楽、舞踊、演劇から、無形遺産、琉球・アイヌ文化まで幅広い分野を網羅しています。当日は、この野心的な取り組みに至った経緯と趣旨、そして日本の舞台芸能の魅力について、日本語を母語としない参加者に対しても終始わかりやすく語りかけました。

 講演後には、自ら能楽師であり、「シアター能楽」の芸術監督も務めるリチャード・エマート氏(武蔵野大学教授)とのディスカッションも行われ、参加者からは「日本の芸能に関する資料と情報の蓄積には目をみはるものがある」と、感嘆の声が聞かれました。