■トピックス  2019年

2019-05-10 日文研の話題

日文研フォーラム「ベトナムにおける日本学研究の現在」を開催しました(2019年4月9日)

 4月9日、第328回「日文研フォーラム」を開催しました。今回は、日本学術振興会研究員として日文研に滞在中のグエン・ヴー・クイン・ニュー氏(ベトナム国家大学ホーチミン市人文社会科学大学講師)の講演「ベトナムにおける日本学研究の現在」に、146名が参加しました。

 日本の古典文学や俳句を専門とするグエン氏によると、近年のベトナムには日本文化が浸透し、日本語学習をきっかけに日本学に興味を持つ人が増えているそうです。しかし、日本語教育の主流は依然としてビジネス志向であり、学術研究の一層の充実が望まれています。発表では、ベトナムにおける日本文化ブームや日本留学者の増加が紹介されました。そして、ベトナムで日本学研究に携わっている人々の関心がどのような分野に向けられてきたか、また、日本に関する高等教育の充実と高度な人材の育成実現には何が必要かについて、統計資料を駆使した最新の報告が行われました。

 発表後は、日文研の荒木浩教授がベトナム語の音韻やベトナム独自の季節感を活かしたベトナム俳句の可能性についてコメントを加え、ベトナムと日本との学術交流、さらには文化交流・相互理解の一層の発展に向け、聴衆を交えて議論を深めました。