■トピックス  2019年

2019-04-25 日文研の話題

SOAS University of London (ロンドン大学 SOAS)のJRCにてセミナー発表(2019年4月23日)

 4月23日(水)、ロンドンの大英博物館に近いSOAS(School of Oriental and African Studies, University of London ロンドン大学東洋アフリカ研究学院)のJRC(Japan Research Centre 日本研究センター)にて、水曜日の定期セミナーが開催されました。そこで安井眞奈美(日文研)が、現在取り組んでいる身体イメージの研究について発表しました。
 
 司会の日本研究センター所長ヘレン・マクノートンさんによる紹介のあと、安井はまず日文研の果たす役割や、海外の研究者に開かれた研究環境、さまざまな共同研究会や国際シンポジウムの開催など、日文研の多彩な研究活動について説明しました。その後、近世から近代にかけて胎児のイメージが変容していく過程の分析を、今回は民間信仰や大衆文化との関連から発表しました。発表タイトルは「近世および近代日本における胎児の図像化――妊婦のための絵図、雑誌、ガイドブックを通して」(Visualizing the Fetus in Pre-modern and Modern Japan: Reading Illustrated Manuals, Magazines and Guidebooks for Pregnant Women)です。
 
 参加者の皆さんからは数多くの質問が寄せられました。近世の胎児の図に性別は描き分けられていたのか、胎児のどの時点が生命の始まりと見なされていたのか、胎児の図は中世から近世にかけてどのように変遷したのか、近世に実際、胎児を見る機会はあったのか、などです。とくに日本宗教研究所長ドルチェ・ルチアさんは、発生学の研究成果を踏まえた、日本の中世における胎児の図について有益なコメントを出されました。
 
 発表後は、今回のセミナーを企画してくださったマクノートンさんやSOASのスティーブ・ドットさん、佐藤=ロスベアグ・ナナさん(昨年、日文研に滞在)をはじめSOASの皆さんと、SOAS・JRC、CTS(Centre for Translation Studies)と日文研が、研究を通して今後も交流を続けていくことなどを確認し、親睦を深めました。
 

(文:安井眞奈美 日文研教授)
ロンドン大学 SOAS
SOAS玄関
発表の様子
SOASの皆さんと