■トピックス  2019年

2019-04-18 日文研の話題

[日文研企画展リポート]「女・おんな・オンナ~浮世絵にみる女のくらし」展を渋谷区立松濤美術館にて開催中

 日文研では今年度より、人間文化研究機構の広領域連携型基幹研究プロジェクト「異分野融合による「総合書物学」の構築」の新たなユニットとして、「文化・情報の結節点としての図像」研究を実施します。そのスタートにあたり、渋谷区立松濤美術館(東京)で4月6日から開催中の展覧会「女 おんな オンナ~浮世絵にみる女のくらし」に企画段階から参画し、所蔵資料を多数出展しています。

 江戸時代の女性は、何を学び、楽しみ、どのように働き、家庭をつくり、生きたのか――。本展では、公家・武家・町人・農民・商人・遊女など、江戸時代の多様な階層と職業の女性たちの「くらし」の様相を、浮世絵をはじめ、衣装・装飾品、調度類、外国人の記録文書等の多彩な資料群によって紹介。「芸事―たしなむ」「化粧―よそおう」「結婚・出産・子育て―家族をつくる」「色恋―たのしむ」など10テーマに分けた会場には、日文研所蔵の貴重な艶本資料40点およびシーボルト著 “Nippon” 等の外書コレクションのほか、国立歴史民俗博物館所蔵の豪華な振袖や帯、化粧道具類、国文学研究資料館所蔵の『女重宝記』に代表される当時の教訓書等も展示され、見応えある構成となっています。

 4月14日には、本展の監修者である石上阿希特任助教による特別講演会「錦絵に描かれた女、描かれなかった女」が開催されました。定員を超える約100名の参加者を前に、浮世絵にみる女性の虚像・実像のみならず、男性イメージも対比的に紹介し、江戸の暮らしを映し出す絵画資料の楽しみ方を指南しました。展覧会は5月26日まで開催中。
 
*注:展示作品の一部には、18歳未満の方(高校生を含む)はご覧になれない作品が含まれています。
 
 
(文・白石恵理 総合情報発信室 助教)
 
展示会場の様子(画像提供:渋谷区立松濤美術館)
日文研所蔵の欧文貴重書も展示中(画像提供:渋谷区立松濤美術館)