■トピックス  2018年

2018-11-07 日文研の話題

「第3回東アジア日本研究者協議会国際学術大会」を開催しました(2018年10月26日~28日)

 10月26日~28日の3日間、東アジア各国・地域の日本研究者325名の参加者を迎え、「第3回東アジア日本研究者協議会国際学術大会」を開催しました(共催:国際交流基金、助成:鹿島学術振興財団・村田学術振興財団)。

 本大会は、東アジアを中心とした多様な国家・地域・エスニシティの研究者に、分野を越えた日本研究に関する成果を発表・議論する場を提供し、国際交流の発展に寄与することを目的に、2016年から実施されています。第1回韓国・仁川市、第2回中国・天津市に続き、第3回目となる今回は、日文研と京都リサーチパークを会場に、日本に拠点を置く外国籍の研究者や、次代を担う多くの若手研究者・院生らの参加も得て、連日活気に満ちた議論が展開されました。

 初日は、開会式の後、李成市氏(早稲田大学文学学術院教授・大学共同利用機関法人 人間文化研究機構理事)による基調講演「国際化の中の日本研究―歴史研究を中心に」が行われました。続いて、玉野井麻利子氏(カリフォルニア大学ロサンゼルス校教授)、ラスティン・ゲイツ氏(ブラッドリー大学准教授)、日文研外国人研究員である佐藤=ロスべアグ ナナ氏(東洋アフリカ研究学院 Senior lecturer、翻訳学研究所所長)らによるパネルディスカッション「日本研究再考―グローバルな文脈から」を開催しました。

 二日目・三日目は、東アジアの歴史・文化・交流史をはじめ、文学、芸術学、政治学、思想・宗教学等、多岐にわたる領域・テーマによる計34の分科会、ならびに大衆文化研究プロジェクト総合国際シンポジウム「メディアミックスする大衆文化」が開催されました。二日目の午後には、稲賀繁美教授による特別講演「いまなぜ海賊史観か―グローバル時代の日本研究を考える」も行われました。

 閉会式では、協議会を構成する国・地域を代表して4名が挨拶に立ち、「どの分科会でも知見に富んだ発表と熱心な議論を聴くことができ、非常に充実した内容だった」と総括しました。一方で、「方法論としての東アジア」をどのように継承し発展させていくか、現在は日本語のみとしている発表言語を今後どのように展開させるか、また、若手研究者相互の交流や研究成果発信に対するさらなる工夫の必要性など、いくつかの課題も提起されました。

 大会期間中、京都リサーチパークのロビーには展示コーナーも設け、国際交流基金、日文研ほか計10ブースが出展。各専門分野の研究に寄与する最新刊行物や歴史資料、アーカイブ、データベース、各種広報物等の展示紹介、販売が行われ、参加者の活発な情報収集・交流の場となりました。

 次回大会は、来年11月に台湾大学で開催予定です。
 
李成市氏による基調講演
分科会の様子
大衆文化研究プロジェクト総合国際シンポジウム
稲賀繁美教授による特別講演