■トピックス  2018年

2018-04-03 日文研の話題

第66回学術講演会を開催しました(2018年3月16日)

 去る3月16日(金)日文研講堂にて、第66回学術講演会を開催しました。
 小松和彦所長の開会挨拶に続き、始めに石川肇助教が「反転する井伊直弼―マッカーサーと大河ドラマのつながり」と題する講演を行いました。従来は非道の権力者とされがちだった幕末の大老・井伊直弼の評価が、戦後になって「開国の恩人」と見直されたのはなぜか。そこには、NHK大河ドラマの第1作目となった舟橋聖一『花の生涯』の強い影響があり、さらにその背後にはマッカーサーによる「占領物語」があったことを、史実に照らして詳細に解説しました。
  続いて、安井眞奈美教授による講演「パラオの女性首長が見た日本」が行われました。太平洋戦争終結の1945年まで日本に統治されていた、ミクロネシア地域の島々から成るパラオ共和国。その頃に幼少期を送り、のちにパラオの女性首長となった一人の女性の生涯を通じ、母系社会の慣習と変遷、パラオと日本の関係について、自身のフィールドワークで得た経験も交えながら紹介しました。
  当日は、講堂のほか、セミナー室へも映像配信を行い、合わせて490名の来場者が熱心に耳を傾けていました。
石川肇助教の講演
安井眞奈美教授の講演