■トピックス 2017年
2017-10-06 日文研の話題
第65回学術講演会を開催しました(2017年9月26日)
去る9月26日(火)日文研講堂にて、第65回日文研学術講演会を開催しました。最初に稲賀繁美副所長からの挨拶に続き、大塚英志教授から「柳田國男と日本国憲法――主権者教育としての柳田民俗学」と題し講演がありました。柳田國男が大正デモクラシー以降、くりかえし唱えた「民主主義」を可能にする「選挙民」のための「民俗学」を考察し、主権者教育のツールとして設計された柳田学問の本質について論じました。
続いて、呉座勇一助教から「内藤湖南、応仁の乱を論じる」と題し講演が行われました。東洋史家の内藤湖南が応仁の乱を日本史上最大の事件と位置づけ、応仁の乱以降の約100年間は「日本全体の身代の入れ替わり」であると主張しましたが、細かく検討してみると必ずしも説得力のあるものではないことを説明し、応仁の乱の様相を通して内藤の議論の是非を再検討するとともに、内藤説の意図や背景を考察しました。
当日は、講堂のほか、セミナー室へも映像配信を行い、合わせて530人を超える来場者が終始熱心に聞き入りました。