■トピックス  2017年

2017-03-16 日文研の話題

第64回学術講演会「上方喜劇の現代性―曾我廼家劇から松竹新喜劇まで」、「日本の大衆文化とキリスト教」を開催しました(2017年3月9日)

 去る3月9日(木)日文研講堂にて、第64回日文研学術講演会を開催しました。
 最初に小松和彦所長からの挨拶で、今年5月に迎える日文研創立30周年にかかる催し物や大衆文化研究についての紹介があり、引続き、古川綾子特任助教から「上方喜劇の現代性―曾我廼家劇から松竹新喜劇まで」と題し講演がありました。明治30年代に関西で旗揚げした曾我廼家劇から松竹が結成した松竹新喜劇まで、上方喜劇に係る系図などの資料を示しつつ系譜をたどり、その現代性を考察しました。
 続いて、井上章一教授から「日本の大衆文化とキリスト教」と題し講演が行われました。宗教学またはキリスト教研究では、日本社会はキリスト教をうけいれなかったと言うことが一般通念となっています。しかし、この考えは大衆社会におけるキリスト教風俗の広がりを見ていないのではないか、という疑問が提示され、ホテルのチャペルでの疑似キリスト教風結婚式演出や京都における西洋風建築などを具体的事例として取り上げて論じました。
 当日は480人を超える来場者があり、笑いも交えた講演に熱心に耳を傾けていました。
講演を行う古川特任助教
講演を行う井上教授
学術講演会の様子