■研究活動 共同研究 2018年度

万国博覧会と人間の歴史

領域 国際共同研究

 万国博覧会の歴史は、1851年のロンドンで始まり、主に20世紀前半まで、欧米各地で華やかに展開された。1970年大阪万博は、アジアで初めてその歴史に一歩を刻んだ。
 21世紀に入ると、2005年愛知、2010年上海、2012年麗水、2016年アンタルヤ、2017年アスタナ、2020年ドバイと、広域アジアでの開催が相次いでいる。こうした状況は、万国博覧会の性格が根本的に変化したというよりも、国際社会の世相を如実に映し出すという万博の変わらぬ性格が、見事に発揮された結果と捉えることができるだろう。万博はつねに、人間の営みの来し方を全方位から取り上げ、論じるための重要な素材であり、舞台であり続けている。
 本研究は、前段となった共同研究会「万国博覧会と人間の歴史―アジアを中心に」の成果を土台に、国を超え、学術と社会的現場の区分を超えて通用する「万博学」の構築をめざす。「万博学」とは、イベントとしての万博を限定的に分析する閉じられた研究のことではない。万博が「人間の歴史」をどう語りうるかを追い求め、それを誰にでも通じる言葉で伝えることのできる知的体系の意である。
(以下の研究組織は2018年8月9日時点のものです)

研究代表者 佐野 真由子 京都大学大学院教育学研究科・教授/国際日本文化研究センター・客員教授
共同研究員 井上 章一 国際日本文化研究センター・教授
稲賀 繁美 国際日本文化研究センター・教授
瀧井 一博 国際日本文化研究センター・教授
劉 建輝 国際日本文化研究センター・教授
Robert HELLYER 国際日本文化研究センター・外国人研究員
石川 敦子 株式会社乃村工藝社コーポレート本部・総務企画部企画課チーフ
市川 文彦 関西学院大学エコロノミクス・センター・教授
岩田 泰 経済産業省通商政策局総務課・課長
鵜飼 敦子 東京大学東洋文化研究所・日本学術振興会特別研究員
江原 規由 (財)国際貿易投資研究所・研究主幹
神田 孝治 立命館大学文学部・教授
澤田 裕二 株式会社SD・代表取締役社長/イベント・空間デザインプロデューサー
寺本 敬子 跡見学園女子大学文学部・専任講師
中牧 弘允 吹田市立博物館長/国立民族学博物館名誉教授
芳賀 徹 東京大学名誉教授/国際日本文化研究センター名誉教授
増山 一成 東京都中央区教育委員会事務局図書文化財課・総括文化財調査指導員(学芸員)
武藤 秀太郎 新潟大学人文社会・教育科学系・准教授
武藤 夕佳里 京都造形芸術大学日本庭園・歴史遺産研究センター・嘱託研究員
橋爪 紳也 大阪府立大学大学院経済学研究科・教授
林 洋子 文化庁芸術文化課・芸術文化調査官
海外共同研究員 青木 信夫 天津大学(中国)・教授
Wybe KUITERT ソウル国立大学・教授
Sybille GIRMOND ヴュルツブルク大学(ドイツ)・リサーチ・アソシエイト
徐 蘇斌 天津大学(中国)・教授
ジラルデッリ青木 美由紀 イスタンブル工科大学・非常勤准教授補