■研究活動 共同研究 2018年度

縮小・分断・貧困社会の文化創造

領域 基幹共同研究

 日本の人口は2008年から急速な減少に転じた。家計の可処分所得は2015年には30年前の水準に戻り、豊かさを感じていない国民が増えているといわれている。そうしたなかで、富裕と貧困、東京と地方、本土と沖縄、「日本人」とそれ以外、高齢者と若者、健常者と障碍者、性的多数者と少数者など、社会のさまざまな分断があらわれている。
 そのような時代に、ひとびとが生み出し享受する文化はどのようなものになるのだろうか。現代の日本で新たな思想や価値につながる何かが芽生えているのか。制度や社会的な圧力によって生まれなかったものがありはしないか。
 現代の文化・社会は、多極間を振り子のように揺れる「メタモダニズム」の時代にあるという。縮小と貧困のさなかでは、多くの商品よりもひとつの良き生をもたらす「フェア・カルチャー」の視点も必要であろう。この研究会では、文化創造へのフェアな参加が、現代と近未来の日本文化の理解と創造に資するかを含めて検討する。
(以下の研究組織は2018年4月1日時点のものです)

研究代表者 山田 奨治 国際日本文化研究センター・教授
共同研究員 松田 利彦 国際日本文化研究センター・教授
佐野 真由子 京都大学大学院教育学研究科・教授/国際日本文化研究センター・客員教授
吉村 和真 京都精華大学マンガ学部・教授/国際日本文化研究センター・客員教授
田村 美由紀 総合研究大学院大学・大学院生
谷川 建司 早稲田大学政治経済学術院・客員教授
小川 さやか 立命館大学大学院先端総合学術研究科・准教授
荻野 幸太郎 NPO法人うぐいすリボン・理事
太下 義之 三菱UFJリサーチ&コンサルティング芸術・文化政策センター・センター長
沢田 眉香子 フリーランス・編集者、ライター
服部 正 甲南大学文学部人間科学科・准教授
松村 圭一郎 岡山大学大学院社会文化科学研究科・准教授