この研究会では、海外でのマンガ・アニメを媒介にした日本への関心の高さと、従来の日本研究の様態とのギャップを埋めるために、個々の作品を検討し研究・教育的な観点を与えていく。したがって、従来のマンガ・アニメ研究によく見られるような、個々の作品論・作家論・表現論には重きを置かない。一方で、マンガ・アニメが持つ魅力と経済効果を国家の発展のために利用しようとする動きがはじまっているが、そうした流れとは距離を保ちつつ、さまざまなアクターによる活動を分析対象としたい。そして作品に描かれた世界と日本の文化・社会とを接続し、「聖地巡礼」に代表されるような作品と現実世界との交流、作品の「ユーザー」による ｎ次創作の広がり、作品に示された世界が日本や海外の文脈で、あるいはモダニズム以後の世界の大きな流れのなかでどのような意味を持つのか、などを問いたい。

研究代表者	山田　奨治	国際日本文化研究センター・教授
幹事	荒木　浩	国際日本文化研究センター・教授
共同研究員	飯倉　義之	國學院大學文学部・准教授
〃	石田　佐恵子	大阪市立大学大学院文学研究科・教授
〃	伊藤　遊	京都精華大学国際マンガ研究センター・研究員
〃	岡本　健	奈良県立大学地域創造学部・准教授
〃	金水　敏	大阪大学大学院文学研究科・教授
〃	高馬　京子	明治大学情報コミュニケーション学部・准教授
〃	谷川　建司	早稲田大学政治経済学術院・客員教授
〃	西村　大志	広島大学大学院教育学研究科・准教授
〃	山中　千恵	仁愛大学人間学部・准教授
〃	山本　冴里	山口大学国際総合科学部・講師
〃	横濱　雄二	甲南女子大学文学部・准教授
〃	北浦　寛之	国際日本文化研究センター・助教
〃	宮崎　康子	国際日本文化研究センター・技術補佐員
〃	小泉　友則	総合研究大学院大学文化科学研究科・大学院生
〃	安井　眞奈美	国際日本文化研究センター／天理大学文学部・客員教授／教授