■研究活動 共同研究 2015年度

明治日本の比較文明史的考察―その遺産の再考―

領域 第4研究域 文化関係

 明治の終焉から百年が経った。「坂の上の雲」を目がけて疾駆した時代は、日本近代史上の青春時代として今なお深い思い入れをもって回顧される。だが、すでに青春期を過ぎ、空前の成熟社会ないし老成社会に入ろうとしている今日、また近隣諸国との間に深刻な摩擦を抱えている現下の状況において、そのような懐旧の念のみでこの時代を振り返ることは許されない。ここでは、明治という時代を単なる一国民の歴史としてではなく、人類が織りなす諸文明の歴史のなかで捉え直すことを目標とする。ひとつの国家が、驚嘆すべきスピードで統一的国民国家を築き世界の一等国にのしあがった。その果てにその国は対外的に膨張し、東アジア世界に大きな傷跡を残しもした。そのような歩みは、今なお諸外国から羨望と怨嗟のまなざしで眺められる。この点をわきまえながら、明治を可能とした思想と条件を解明し、人類社会の遺産として明治を考え直すことを課題とする。
(以下の研究組織は2015年10月1日現在のものです)

研究代表者 瀧井 一博 国際日本文化研究センター・教授
幹事 牛村 圭 国際日本文化研究センター・教授
共同研究員 五百旗頭 薫 東京大学大学院法学政治学研究科・教授
岩谷 十郎 慶應義塾大学・教授
植村 和秀 京都産業大学法学部・教授
大川 真 吉野作造記念館・館長
小川原 正道 慶應義塾大学法学部・教授
勝部 眞人 広島大学大学院文学研究科・教授
加藤 雄三 専修大学・非常勤講師
國分 典子 名古屋大学大学院法学研究科・教授
塩出 浩之 琉球大学法文学部・准教授
島田 幸典 京都大学大学院法学研究科・教授
清水 唯一朗 慶應義塾大学総合政策学部・准教授
谷川 穣 京都大学大学院文学研究科・准教授
永井 史男 大阪市立大学大学院法学研究科・教授
長尾 龍一 東京大学大学院総合文化研究科・名誉教授
中村 尚史 東京大学社会科学研究所・教授
福岡 万里子 国立歴史民俗博物館・准教授
前田 勉 愛知教育大学教育学部・教授
松田 宏一郎 立教大学法学部・教授
山田 央子 青山学院大学法学部・教授
岡本 貴久子 元総合研究大学院大学国際日本研究専攻・大学院生
浅見 雅男 上智大学文学部新聞学科・非常勤講師
大久保 健晴 国際日本文化研究センター・客員准教授 / 慶應義塾大学法学部・准教授
奈良岡 聰智 国際日本文化研究センター・客員教授 / 京都大学大学院法学研究科・教授
林 洋子 国際日本文化研究センター・客員准教授 / 文化庁芸術文化課・芸術文化調査官
ジョン・ブリーン 国際日本文化研究センター・教授
佐野 真由子 国際日本文化研究センター・准教授
海外共同研究員 Fuess Harald Heidelberg University・Professor
Swale Alistair The University of Waikato・Senior Lecturer