■研究活動 共同研究 2008年度

近代日本の公と私、官と民-比較の視点から-

領域 第三研究域 文化比較

「公共的なるもの」への人々の姿勢は、国のかたちを規定する重要な要素である。デモクラシーと市場経済のもとでは、社会的な紐帯を失いアトム化した個人は、「私」的な世界に閉じこもり、「公」的な事柄への関心を失いがちになる。「公」と「私」のバランスと境界はどこにあるか、それはいかにすれば保持されうるか。  本共同研究では、近代日本を主たる対象としながら、歴史的あるいは国際比較の視点から、「公」と「私」の問題を取り上げる。その際、理念としての公(共)と私と、現実の「官」と「民」を区別しつつ、歴史的側面(たとえば英米法と大陸法、あるいは西洋・東洋の公の哲学)、理論面(common goodの歴史、公的責任の制度論など)、現実の諸問題(プライバシーの概念と関連事件、メディアの役割とその活動への制限、公共経済的な政策など)など、参加者の専門分野に応じてさまざまの側面からのアプローチを試みたい。

研究代表者 猪木武徳 国際日本文化研究センター・所長
幹 事 マルクス・リュッターマン 国際日本文化研究センター・准教授
共同研究員 上山隆大 上智大学経済学部・教授
桂木隆夫 学習院大学法学部・教授
紙谷雅子 学習院大学専門職大学院法務研究科・教授
木村 真 北海道大学公共政策大学院・特任助教
佐伯啓思 京都大学大学院人間・環境学研究科・教授
佐藤一進 京都造形芸術大学・非常勤講師
田島正樹 千葉大学文学部・教授
土井真一 京都大学大学院法学研究科・教授
中岡俊介 埼玉大学経済学部・非常勤講師
橋本 努 北海道大学大学院経済学研究科・准教授
藤倉 皓一郎 同志社大学法科大学院・教授
宮 一穂 京都精華大学デザイン学部・教授
Detlev SCHAUWECKER 関西大学名誉教授
望月和彦 桃山学院大学経済学部・教授
井上章一 国際日本文化研究センター・教授
井出文紀 国際日本文化研究センター・機関研究員