■研究活動 共同研究 2006年度

王権と都市に関する比較史的研究

従来、わが国の学界に於いて、都市生成の研究、および都市の地域的比較研究は必ずしも皆無ではなかったが、王権と都市の関連を検討する研究は、イブン=ハルドゥーンの問題提起以来、一部の例外を除いては多くはなく、しかも地域的に偏りもあった。本研究はまず、肥沃半月帯に於ける王権の発生と都市の発生の間連を検討し、メソポタミア・アナトリア(小アジア)等に於いて、都市がどのように王権によって創出されたかを考察する。さらに、ギリシア・ヘレニズム・ローマ等古典古代の都市と、王政・民主制との関連、すなわち、王権による都市と、共和制下の都市とでは、市壁・庁舎・宮殿・広場等の構成に於いてどのような差異を見せるかを明らかにしたい。併せて、都市支配の装置・構成等に於いても比較検討する。 以上の如き作業を、アジア・イスラム・ヨーロッパ中世・近代等の領域でさまざまに試み、各時代・各地域での都市史のあり方を、相互に比較検討する。全体として、王権と都市の関わりについて、総括的提言を出すことを目的としている。

代表者 今谷  明 国際日本文化研究センター・教授
幹事 宇野 隆夫 国際日本文化研究センター研究部・教授
班員 大月 康弘 一橋大学経済学研究科・教授
岡田 保良 国士舘大学イラク古代文化研究所・教授
乙坂 智子 横浜市立大学国際総合科学部・準教授
佐藤健太郎 早稲田大学総合研究機構・客員講師
白幡俊輔 京都大学大学院人間・環境学研究科・博士後期課程
図師 宣忠 大阪産業大学人間環境学部・非常勤講師
筒井 清忠 帝京大学文学部・教授
土居  浩 ものつくり大学建設技能工芸科・講師
仁藤 敦史 国立歴史民俗博物館歴史研究部・助教授
長谷部史彦 慶応義塾大学文学部・助教授
藤井 真生 日本学術振興会特別研究員
井上 章一 国際日本文化研究センター研究部・教授
小松 和彦 国際日本文化研究センター研究部・教授
白幡洋三郎 国際日本文化研究センター研究部・教授
園田 英弘 国際日本文化研究センター研究部・教授
池内  恵 国際日本文化研究センター研究部・助教授
マルクス・リュッターマン 国際日本文化研究センター研究部・助教授
加藤 祐三 横浜市立大学国際日本文化研究センター・名誉教授客員教授
西川 幸治 滋賀県立大学国際日本文化研究センター ・前学長客員教授