■研究活動 共同研究 2003年度

公家と武家-官僚制と封建制の比較文明史的研究-

本共同研究のねらいは、今日の日本社会の母胎をなしている前近代の社会の構造と、その文化の性格を理解する一環として、前近代社会における支配エリートであった公家(貴族)と武家という固有の階層に焦点を合わせ、それらの身分や職能のもつ意味、その秩序の形式、社会的役割といったものを解明するところにある。  今回の共同研究においては特に、これらの階層が構成した重要な社会組織である、官僚制組織と封建制度に基づく人間関係を主題として取り上げ、それらの歴史的特質を究明していくことを中心課題とする。  本共同研究においては、この研究を日本社会の内部だけを対象として行うのではなく、日本以外に視野をひろげアジアや中東ヨーロッパ などの諸地域・諸民族の場合との比較、およびそれら相互間の比較を通して、官僚制度と封建制度の問題を取り上げていく。  そしてその中で、武士層(騎士・職業戦士)が成長した地域と、文官支配が優越して武士の出現を見なかった地域とにおける社会組織の性格の違いに着目し、その歴史的な意味をさまざまな角度から検討し、それらの差異が今日の社会における、それぞれの文化的特性と、どのような関連を有しているかを構造的に解明することを研究目標として掲げる。

代表者 笠谷和比古 国際日本文化研究センター研究部・教授
幹事 テモテ・カーン 国際日本文化研究センター海外研究交流室・助教授
班員 會田  実 四国大学文学部・教授
朝治 啓三 関西大学文学部・教授
石井 紫郎 国際日本文化研究センター・名誉教授
磯田 道史 慶應義塾大学経済学部・非常勤講師
井上 浩一 大阪市立大学文学部・教授
岩津 洋二 桃山学院大学文学部・教授
上横手雅敬 皇學館大学文学部・教授
江川  温 大阪大学大学院文学研究科・教授
朧谷  寿 同志社女子大学・文学部・教授
ガデレワ・エミリア 四国大学文学部・講師
加藤 善朗 種智院大学龍谷大学・非常勤講師
源城 政好 元宇治市歴史資料館館長
佐藤 次高 早稲田大学文学部・教授
杉立 義一 日本医師学会・理事
鈴木  董 東京大学東洋文化研究所・教授
高橋 昌明 神戸大学文学部・教授
武内恵美子 総合研究大学院大学・大学院生
竹村 英二 国士舘大学21世紀アジア学部・助教授
谷井 俊仁 三重大学人文学部・助教授
谷口  昭 名城大学法学部・教授
辻  正博 滋賀医科大学医学部・助教授
辻垣 晃一 国際日本文化研究センター・共同研究員
名和  修 陽明文庫・文庫長
根津 寿夫 徳島城博物館・学芸員
原田 正俊 関西大学文学部・助教授
平木  實 天理大学国際文化学部・教授
平田 茂樹 大阪市立大学文学部・教授
平山 朝治 筑波大学大学院社会科学系・助教授
深沢  徹 桃山学院大学文学部・教授
三木  亘 慶應義塾大学・名誉教授
三谷  博 東京大学大学院総合文化研究科・教授
南川 高志 京都大学大学院文学研究科・教授
村井 康彦 京都造形芸術大学芸術学部・教授
村山  聡 香川大学教育学部・教授
森田登代子 樟蔭東女子短期大学・非常勤講師
横谷 一子 東京福祉大学・兼任講師
頼富 本宏 種智院大学・学長
マルクス・リュッターマン 国際日本文化研究センター研究部・助教授
官 文娜 武漢大学中国伝統文化研究センター  ・客員教授日本学術振興会 外国人 特別研究員
アレクサンダー・ベネット 国際日本文化研究センター研究部・助手