■研究活動 共同研究 2002年度

旅の「情報」と「表現」-交流と孤立から見た日本文化史の再検討

近世の日本文化は都市内の情報流通や人的交流、都市間の往来が著しく、地域文化はつねに撹拌され、各種情報媒体にのって全国化されえました。しかしながら一方では、お国ぶりや特産品など地域独自の精神的・物質的所産はそれぞれ個性をもち、独自の性格を保っていました。  旅はふつう交流を促す側面でみられがちですが、孤立があってこそ旅が生まれ、また旅によって地域の個性が発見され、大きく育ちます。旅は日記や絵図、文芸や絵画など多彩なジャンルを生み出し、それらはまた逆に旅を促しました。  本研究は、旅から生まれ旅を促した多様な「情報」と「表現」を、さまざまな研究分野から読み解くことにより、交流と孤立の二つの相から日本文化史に再検討を加えようとするものです。  この研究をステップに将来、映像資料を中心として日本文化史を構成したもの、たとえば「日本文化図誌」の編集をめざしたいと思います。

代表者 白幡洋三郎 国際日本文化研究センター・教授
幹事 早川 聞多 国際日本文化研究センター・教授
班員 錦   仁 新潟大学人文学部・教授
原田 信男 国士舘大学21世紀アジア学部・教授
園田 英弘 国際日本文化研究センター・教授
佐藤 卓己 国際日本文化研究センター・助教授
長田 俊樹 京都造形芸術大学芸術学部  国際日本文化研究センター ・教授客員教授
玉井 哲雄 千葉大学工学部  国際日本文化研究センター・教授客員教授
森  洋久 国際日本文化研究センター・助教授
劉  建輝 国際日本文化研究センター・助教授