■研究活動 共同研究 2001年度

公家と武家―王権と儀礼の比較文明史的研究―

本共同研究のねらいは、今日の日本社会の母胎となっている前近代の社会と、その文化の性格を理解する一環として、前近代社会において大きな力をもった公家(貴族)と武家という固有の階層に焦点を合わせ、それらの身分や職能のもつ意味、その秩序の形式、社会的役割といったものを浮かび上がらせていこうとするところにあります。今回の共同研究においては特にこれらの階層が支えている王権(天皇制)の存在形態、またそれをめぐる諸々の儀礼の意味についての解明を中心課題とします。  そして本共同研究においては、この研究を日本社会の内部だけを対象として行うのではなく、日本以外に視野をひろげアジアや中東、ヨーロッパなどの諸地域・諸民族の場合との比較、およびそれら相互間の比較を通して、王権と儀礼の問題を取り上げていきます。そしてその中で、武士層(騎士・職業戦士)が成長した地域と、文官支配が優越して武士の出現を見なかった地域とにおける王権および儀礼の性格の違いに着目し、その歴史的な意味をさまざまな角度から検討し、それらの差異が今日の社会における、それぞれの文化的特性と、いかなる関連を有しているかを構造的に解明することを研究課題とします。

代表者 笠谷和比古 国際日本文化研究センター研究部・教授
幹事 テモテ・カーン 国際日本文化研究センター海外研究交流室・助教授
班員 磯田 道史 慶應義塾大学経済学部・非常勤講師
井上 勝生 北海道大学大学院文学研究科・教授
井上 浩一 大阪市立大学文学部・教授
江川  温 大阪大学大学院文学研究科・教授
大庭  脩 皇學館大学         文学部・学長教授
小野 芳彦 北海道大学大学院文学研究科・教授
朧谷  寿 同志社女子大学学芸学部・教授
川島 昭夫 京都大学総合人間学部・教授
川嶋 将生 立命館大学文学部・教授
黒田日出男 東京大学史料編さん所画像史料解析センター・所長
源城 政好 宇治市歴史資料館・館長
下坂  守 京都国立博物館・室長
杉立 義一 日本医史学会・理事
鈴木  董 東京大学東洋文化研究所・教授
瀧浪 貞子 京都女子大学文学部・教授
谷口  昭 名城大学法学部・教授
竺沙 雅章 京都大学・名誉教授
辻垣 晃一 龍谷大学大学院文学研究科・研究生
津田 順子 国立歴史民俗学博物館民俗研究部・助手
名和  修 (財)陽明文庫・文庫長
橋本 義則 山口大学人文学部・助教授
原田 正俊 高野山大学文学部・助教授
平木  實 天理大学国際文化部・教授
平田 茂樹 大阪市立大学文学部・助教授
平山 朝治 筑波大学社会科学系・助教授
三木  亘 慶應義塾大学・特選塾員
三谷  博 東京大学大学院総合文化研究科・教授
南川 高志 京都大学大学院文学研究科・教授
村井 康彦 京都造形芸術大学芸術学部・教授
元木 泰雄 京都大学総合人間学部・助教授
園田 英弘 国際日本文化研究センター研究部・教授
小松 和彦 国際日本文化研究センター研究部・教授
落合恵美子 国際日本文化研究センター研究部・助教授
光田 和伸 国際日本文化研究センター研究部・助教授
谷井 俊仁 三重大学人文学部  国際日本文化研究センター研究部・助教授客員助教授