阪神大震災、地下鉄サリン事件、ナホトカ号重油流出、ペルー日本大使館公邸人質事件などの発生によって、近年、日本人の間において、「危機管理」についての関心が高まりつつある。併せて、危機は一旦それが発生してしまってからでは充分な対応をなし得ないとの認識から、事前の危機防止の必要性が要請されるようになった。 　「危機管理」や「危機防止」（あるいは「予防外交」）という同一の用語を用いながら、日本人と非日本人との間には、その基本的な考え方や対処法に関して、若干の差異が存在するように思われる。 　本研究は、国民性、文化的背景などの差異に由来する用語、概念、態度に留意しつつ、従来主として欧米諸国で発展してきた「危機管理」や「危機外交」の理論から学びとりうる点を明らかにすると同時に、わが国の捉え方や実践の中にも、世界各国にとり有益かつ参考となるものが存在するか否かの検討を課題とする。

代表者	木村　　汎	国際日本文化研究センター研究部・教授
幹事	園田　英弘	国際日本文化研究センター研究部・教授
班員	石田　　淳	東京都立大学法学部・助教授
〃	大芝　　亮	一橋大学大学院法学研究科・教授
〃	太田　　宏	青山学院大学国際政治経済学部・教授
〃	岡本　浩一	東洋英和女学院大学人間科学部・教授
〃	酒井　哲哉	東京大学大学院総合文化研究科・助教授
〃	坂元　一哉	大阪大学大学院法学研究科・教授
〃	柴　　宜弘	東京大学大学院総合文化研究科・教授
〃	田所　昌幸	防衛大学校社会科学教室・教授
〃	土山　實男	青山学院大学国際政治経済学部・教授
〃	堂之脇光朗	外務省東海銀行・参与顧問
〃	戸部　良一	防衛大学校社会科学教室・教授
〃	中西　　寛	京都大学大学院法学研究科・助教授
〃	納家　政嗣	一橋大学大学院法学研究科・教授
〃	原　　彬久	東京国際大学国際関係学部・教授
〃	福島安紀子	総合研究開発機構国際研究交流部・主任研究員
〃	星野　俊也	大阪大学大学院国際公共政策研究科・助教授
〃	増田　　弘	東洋英和女学院大学社会科学部・教授
〃	山本　吉宣	東京大学大学院総合文化研究科・教授
〃	横田　洋三	東京大学大学院法学政治学研究科・教授
〃	吉野　　準	（財）日本道路交通情報センター・理事長
〃	井波　律子	国際日本文化研究センター研究部・教授
〃	笠谷和比古	国際日本文化研究センター研究部・教授
〃	村松　岐夫	京都大学大学院法学研究科 国際日本文化研究センター研究部・教授教授
〃	御厨　　貴	政策研究大学院大学大学院政策研究科 国際日本文化研究センター研究部 ・教授 客員教授