■研究活動 共同研究 1999年度

通婚圏、配偶者選択および性淘汰によるヒトの進化

ヒトの集団の大きさや分布、その行動様式が食料資源の種類や分布のみで決定され、進化してきたとは考えられない。初期人類の時代にあっても、食料の探索のみに夢中になっている集団がいたとは考えられない。ヒトはその生存戦略において、日々の食料獲得を主に行う生業集団の維持とともに、それぞれの生業集団は子孫を絶やさないために自らを一定の通婚網に組み込んでいた。それを確実にするために彼らが編み出したシステムもまた、重要であった。そして、この過程で、さまざまな配偶者選択の基準が遺伝的および文化的にプログラムされ、さらに一部の身体形質は性淘汰によって進化することにもなった。先史人類学の世界で、具体的にはほとんど認知されていない上述のさまざまな概念およびプロセスを、人類学、考古学、民族学、社会学、言語学など諸分野の視点から総合的に研究する。

代表者 赤澤  威 国際日本文化研究センター研究部・教授
幹事 栗山 茂久 国際日本文化研究センター研究部・助教授
班員 井原 泰雄 東京大学大学院理学系研究科・博士課程
今村  薫 名古屋学院大学経済学部・助教授
榎本 知郎 東海大学医学部・助教授
大林 太良 東京大学・名誉教授
小田  亮 名古屋工業大学・講師
片山 一道 京都大学霊長類研究所・教授
小林 正史 北陸学院短期大学・教授
杉藤 重信 椙山女学園大学人間関係学部・教授
須藤 健一 神戸大学国際文化学部・教授
棚橋  訓 慶應義塾大学文学部・助教授
徳永 勝士 東京大学大学院医学系研究科・教授
長谷川真理子 専修大学法学部・教授
吉川左紀子 京都大学大学院教育学研究科・助教授
米田  穣 環境庁国立環境研究所・研究員
早川 聞多 国際日本文化研究センター研究部・助教授
青木 健一 東京大学大学院理学系研究科  国際日本文化研究センター研究部 ・教授客員教授
東元 春夫 京都女子大学宗教・文化研究所  国際日本文化研究センター研究部 ・教授客員教授
橋本 裕子 総合研究大学院大学・大学院生