■Research Activities Team Research 1997

公家と武家―その比較文明史的考察―

本共同研究のねらいは、今日の日本社会の母胎となっている前近代の社会と、その文化の構造を理解する一環として、前近代社会において大きな力をもった公家(貴族)と武家という固有の階層に焦点を合わせ、それらの身分や職能のもつ意味、その秩序の形式、社会的役割といったものを浮かび上がらせていこうとするところにあります。そして本研究においては、この研究を日本社会の内部だけを対象として行うのではなく、日本以外に視野をひろげ、アジアや中東、ヨーロッパなどの諸地域・諸民族の場合との比較、およびそれら相互間の比較を通して、武士層(騎士・職業戦士)が成長した地域と、文官支配が優越して武士の出現を見なかった地域との違いの歴史的な意味を、さまざまな角度から検討していくことを研究課題とします。

代表者 笠谷和比古 国際日本文化研究センター