■Research Activities Team Research 1997

日本社会における会合の実態とその持つ意味についての歴史的研究

本研究の目的は、各時代における宴について具体的に詳細な検討を行い、宴の社会的背景と意味を考察する基礎を確立することにあります。日本社会を歴史的に考える場合、「宴」がもつ意味は非常に大きい。宴とは、ある一つの関係を共有する人々が集まって酒食をともにすることであるが、ひと口に宴といっても、年中行事的なものから、政治的、宗教的、親睦的内容とさまざまであり、そこに人間関係の上下が結びつきます。そして宴がもつ意味、果たす役割も多面的で表にみえない事例の部分にこそ本来の意義が存在し、その時代性を反映しています。宴の場が、集団における重要な儀式として、また意志決定機関として、それ以外にも多様な役割を担って機能していました。  宴の種類、形式、階層差、地域差を明らかにすることで、宴がその社会においてどのような意味をもっていたのかを考察することが可能となります。それにより、現在の社会にまで継続する日本社会の基本的な人間関係のあり方を考える重要な手がかりを得ることができます。

代表者 小泉 和子 国際日本文化研究センター
Organizer 井上 章一 国際日本文化研究センター
Team Researcher 飯村  均  (財)福島県文化センター
伊藤 正義 文化庁文化財保護部記念物課
入間田宣夫 東北大学東北アジア研究センター
小野 正敏 国立歴史民俗博物館
川本 重雄 北海道工業大学工学部
毛塚 万里 武蔵大学人文学部
佐々木利和  東京国立博物館
志田原重人  比治山女子短期大学
高埜 利彦 学習院大学文学部
玉井 哲雄 千葉大学工学部
豊見山和行 琉球大学教育学部
堀内 明博 (財)古代学協会
吉田 光男 東京大学大学院人文社会系研究科
モリス・マーティン 千葉大学工学部