■研究活動 共同研究 1994年度

日本文化の新断面―かざり並びに奇人研究―

日本文化の特徴を、従来あまり顧られなかった詳しい切口から把えようとするのが本研究の目的です。具体的には、A「かざり」;B「奇人」の二つのトピックが取り上げられます。 A「かざり」 日本の文化の伝統のなかで、飾る行為と結び付いた「かざり」の果たしてきた役割は大きい。荘厳、風流、ハレ、見立て、流行などと関わり合って「かざり」の領域は広く、単独の専門分野の手にあまります。本研究は、美術工芸、意匠、建築、庭園、芸能、民俗、生活文化、文学、美学、文化人類、宗教など関連する専門分野の協力によって、日本の「かざり」の構造を全体として把握しようとするものであります。「かざり」における「奇」の要素にも着目いたしたい。 B「奇人」  古代から現代にいたる間、「奇人」と目されるさまざまな個性が、日本文化の創造的展開に貢献しています。かれらの関与する領域は、思想、宗教、科学、芸術等さまざまです。本研究はかれら「奇人」たちの、それぞれの事跡と意義を文化的創造の文脈のもとで再評価しようとするものです。かれらを生んだ時代背景、同時代の社会がかれらをどのように受け容れたか等が検討されます。多くの無名の「奇人」の存在にも照明をあて、かれらの果たした役割の発掘に努めたいと考えます。

代表者 辻  惟雄 国際日本文化研究センター
幹事 井上 章一 国際日本文化研究センター
早川 聞多 国際日本文化研究センター
班員 池田  紀 東京大学文学部
井波 律子 金沢大学教養部
井上  正 奈良大学文学部
奥野 卓司 甲南大学文学部
奥平 俊六 大阪大学文学部
加納 博幸 京都国立博物館
神崎 宣武 著述業
木下 直之 兵庫県立近代美術館
切畑  健 大手前女子大学文学部
熊倉 功夫 国立民族学博物館
小泉 和子 著述業
佐野みどり 武蔵野美術大学造形学部
杉山 二郎 仏教大学文学部
関井 光男 近畿大学文芸学部
高階 秀爾 国立西洋美術館
立川 武蔵 国立民族学博物館
玉蟲 敏子 (財)静嘉堂文庫
坪内 祐三 目白学園女子短期大学
中沢 新一 中央大学総合政策学部
橋爪 紳也 京都精華大学人文学部
服部 幸雄 千葉大学文学部
増淵 宗一 日本女子大学人間社会学部
丸山 伸彦 国立歴史民俗博物館
山口 昌男 静岡県立大学
山路 興造 京都市立歴史資料館
朱   捷 中京女子大学家政学部
別所 恭子 国際日本文化研究センター
宮田  登 国際日本文化研究センター
正木  晃 国際日本文化研究センター
パトリシア・フィスター 国際日本文化研究センター