■研究活動 共同研究 1991年度

東アジアの本草と博物学の世界

本草は中国に生まれた薬物学であるが、同時に人間の周りにあるすべての物(動・植・鉱物)を薬という視点から把握しようとする、一種の博物学でもあった。その集大成である明末の『本草網目』が江戸時代初期に輸入され、その刺激のもとに、日本における本草の独自の展開が始まる。すなわち薬物学研究のほかに、一方では、園芸学や物産学と結びついて実学を生み、他方では博物学への道を歩み、その過程で東アジアの本草の成果を積極的に吸収してきた西洋の博物学と接触するのである。  このような幅広い性格をもつ本草・博物学の世界を、ひとつ構築された知的宇宙としてのみならず、学問・産業・芸術のような分野への影響という観点からも多面的に分析しようとするものである。

代表者 山田 慶兒 国際日本文化研究センター
幹事 笠谷和比古 国際日本文化研究センター
班員 石田 秀実 九州国際大学法経学部
磯野 直秀 慶應義塾大学経済学部
大庭  脩 関西大学文学部
川島 昭夫 神戸市外国語大学外国語学部
榊原 吉郎 京都市立芸術大学美術学部
高橋 達明 京都女子大学文学部
田中 優子 法政大学第一教養部
塚本洋太郎 京都大学・名誉教授
中野 益男 帯広畜産大学畜産学部
西村 三郎 京都大学教養部
萩原 延壽 著述家
松田  清 京都大学教養部
真柳  誠 北里研究所附属東洋医学総合研究所
三木  亘 慶應義塾大学文学部
安田  健 (財)日本野生生物研究センター
杉本秀太郎 国際日本文化研究センター
芳賀  徹 国際日本文化研究センター
小野 芳彦 国際日本文化研究センター
白幡洋三郎 国際日本文化研究センター
早川 聞多 国際日本文化研究センター
安田 喜憲 国際日本文化研究センター
田代 和生 国際日本文化研究センター