■研究活動 共同研究 1990年度

日本人の自然観

日本人の自然観は日本文化の基底をなす重要な一局面である。従ってこれを明らかにすることは、日本文化の基本的特質を解明する上に、大きく寄与するであろう。のみならず今日、人間と自然との関係が地球的な規模において、真剣に問われている。人間が自然をどのように観、それとどのように関わってゆくかということは、現代の環境問題を考えていく上にも大切な事柄であり、二十一世紀に向かう人類の帰趨を決する重要な問題である。このときに当たり、我々日本人の自然観をとり上げ、それを歴史的に考察し、その特徴を明らかにし、これからの人類の自然に対する関係の在り方の参考に供することは、極めて有意義であると考えられる。  本共同研究では、まず縄文時代より現代にまでいたる日本人の自然に対する態度や観方、感じ方や考え方を、考古学的異物や神話、歴史的文献さらには文学作品や科学論文などの分析を通して通時的に解明し、ついで日本人の自然観と他文化圏のそれとの比較考察を行い、さらにこの通時的と比較的研究とを統合することによって、日本人の自然観の特質を明らかにし、これの現代の環境問題に対する意義を考える。

代表者 伊東俊太郎 国際日本文化研究センター
幹事 鈴木 貞美 国際日本文化研究センター
班員 荒井  紘 静岡大学教養部
金子  務 大阪府立大学総合科学部
小松 和彦 大阪大学文学部
平川 祐弘 東京大学教養学部
正木  晃 トキワ松学園女子短期大学(非常勤)
源  了圓 国際基督教大学大学院
村上陽一郎 東京大学先端科学技術研究センター
吉田  忠 東北大学文学部附属日本文化研究施設
渡辺 正雄 国際基督教大学教養学部
久野  昭 国際日本文化研究センター
中西  進 国際日本文化研究センター
小野 芳彦 国際日本文化研究センター
白幡洋三郎 国際日本文化研究センター
安田 喜憲 国際日本文化研究センター