■研究活動 共同研究 1988年度

江戸時代の芸術における外国文化(中国を中心として)の受容と変容

日本の諸芸術が、古くから中国をはじめとする海外文化の感化を深くこうむっていることは、今更いうまでもない。我々の共同研究は、そうした歴史の中でも特に桃山期以降江戸という時代に焦点をあて、日本の絵画、書、陶磁器、音楽、舞踊といった諸芸術が、招来された文物あるいは渡航した人々によってどのように光被され、さらにどのようにそれらを血肉化したかを探ろうとするものである。ご存知のように江戸という時代は、我が国のみならず、世界史的に見ても興味深い時代であり、従ってそこにおいて外来の文化がどのように受け入れられ、またどのようにして生活の場面にまで取り込まれたかという過程を発するならば、日本における外来文化の受容と変容の基本的な仕組みとその特性が、浮かび上がってくると予想される。  ただ研究分野が多岐にわたるため、従来の研究方法ではその核心には迫れないであろう。そこで本研究を実りあるものとするには、諸ジャンルを分析するのみならず、それらを総合するための新規な方法論がなければならない。そのための共同討議を十分に行いつつ、各分野の研究成果を分析していくならば、その成果は多彩かつ豊かになるであろう。

代表者 ドナルド キーン 国際日本文化研究センター
幹事 早川 聞多 国際日本文化研究センター
班員 大庭  脩 関西大学文学部
奥平 俊六 大阪府立大学総合科学部
狩野 博幸 京都国立博物館美術部美術室
河野 道房 京都大学人文科学研究所
小林  忠 学習院大学文学部
田中 優子 法政大学第一教養部
崔 博 光 成均館大学(天理大学外国語学部)
芳賀  徹 東京大学教養学部
羽生  清 京都芸術短期大学
源  了圓 国際基督教大学大学院
山田 慶兒 京都大学人文科学研究所
吉田孝次郎 画家
村井 康彦 国際日本文化研究センター
杉本秀太郎 国際日本文化研究センター
上垣外憲一 国際日本文化研究センター
白幡洋三郎 国際日本文化研究センター
田代 和生 国際日本文化研究センター
アンドリュウ ガーストル 国際日本文化研究センター