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 しぐれ
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[中巻]
[下巻]
左大臣の息子中将は、清水寺に籠もっている妹を見舞うために出かけるが、清水坂で、おりからの時雨 で難儀する故三条中納言の姫君に傘を貸したことが機縁となり結ばれて、邸に迎え入れる。その後、 中将は親のすすめで右大臣家の女と結婚するが、三条の姫君の事が忘れられず疎遠になる。やがて 右大臣夫妻による呪詛を受けて右大臣家で昼夜もわからぬ痴呆状態になってしまう。三条の姫君は失望し、 かつ左大臣の北の方にも邸を出るように言われて、侍従とともに内裏に住む丹後の内侍のもとに 身を寄せるが、帝の目にとまり后となって、承香殿の女御と呼ばれるようになって栄える。 中将はやがて正気を取りもどしたが、三条の姫が承香殿であることを知って悲しみのあまり出家する。 物語は最後に、姫君が仏縁を得て栄えたのも、中将が出家したのもこれみな観音の利生であったと結ぶ。


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