ヤマイヌ 1943年 長野県 鹿を食う山犬がいる。これを犬落しという。この鹿を拾って山犬の怒りを買った人もいる。鹿をこっそり食べていると、山犬が集まって家に入り込んで、老母が食い殺されてしまったという。
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ヤマノカミサマ 1965年 長崎県 鹿狩りの時、鹿の背中に御幣が立っているのを見た人がいる。山の神様が鹿に乗っていたのだろうという。
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ヒトミゴクウ 1996年 岩手県 3年ごとに女の子を生贄に捧げなくてはならなかったが、人身御供の慣習は変わって鹿にすることになった。人塚や鹿塚も残っている。鹿も獲れなくなると、鮭になり、そして雑魚になった。
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ヤマイヌ,オオカミ 1993年 静岡県 小河内の望月家の4代前の姑は、山の焼畑の小屋に泊まって粟の草取りをしていたとき、上顎に骨を立てて苦しんでいた山犬を助けた。その山犬は秋中望月家の畑を守り、猪・鹿・兎の害から守った。また、大きな鹿を殺して小屋の前に置いていった。収穫を終えて山を降りるとき、姑は山犬へのお礼に鹿肉を木に掛け「いるのかいないのか」とつぶやいたら、山犬は横に控えていた。
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シカ,ヤマイヌ 1943年 静岡県 馬を連れて歩いていると、馬が進まなくなった。そこには1頭の鹿が角で山犬を刺し、山犬が息絶えるところだった。山犬と鹿を殺して手すれて帰り、祭りの肴として食べた。このようなケースは珍しい。
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シカムスメ,シカヒメ 1931年 岩手県 昔、ある奥方が山奥で産をしたとき、鹿にその子を託して死んだ。鹿は赤子を角にくくりつけられたまま山を下り、老夫婦のところに赤子を連れて行った。その子は鹿娘(もしくは鹿姫)と名づけられた。成長した後、長者の家の火焚女になり、長者の息子と結婚したといわれている。この娘は雀がとまったまま梅の枝を折ったり、引き綿の上を新しい草履であるいたり、水の上を歩いたりできたという。
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ヤマノカミ 1965年 長崎県 鹿は山の神のお使いであり、山の神が通る道と鹿が通る道は同じである。
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シカノツノ 1991年 愛媛県 ある夫婦が山で鹿の角を拾ったら、妻の腹が病んだ。鹿の角を返したら治まった。
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ヤマノ 1988年 長野県 山には山犬が出る。
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カッパ 1975年 高知県 河童は鹿の角を嫌う山師や猟師は鹿の角を携行する。川へ1人で行くと河童に肝を抜かれるので、行く際は鹿の角を持っていく。
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ヤマイヌ 1943年 長野県 炭焼きをしていると、山犬が出てきたので火箸を使って脅すと、山師達が出てきた。犬落しの話を応用したものである。山で食べさしの鹿を見つけたこの人が友人と、拾って食べると、遠くから山犬の鳴き声が聞こえてきた。
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シンロクノタマ 1943年 長野県 鹿の中に神鹿というものがいる。一生に一度見られるかどうかのめでたい鹿で、角に珠を持っている。それがどんどん大きくなる。この珠は、矢除けの役割や病人を治すというものであり、珍重された。
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ヤマイヌノオンガエシ 1941年 岐阜県 ある人が、口の中に骨が刺さった山犬を助けたら、翌朝この人の家の前に鹿一匹が置いてあった。山犬の恩返しだった。
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ハクオウサマ,ダイジャ 1991年 愛媛県 土佐の孫八という猟の名人が僧都で鹿を撃った。鹿は白王様の大岩の下の淵に入った。孫八が行くと白い大蛇が鹿を巻いていた。孫八は「身はいらんから角だけくれ」と言って角をもって帰った。白王様の祠に鹿の角があるのはこの由縁。
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イヌ,ダイジャ 1940年 大阪府 狩人が鹿を追って山に入ったが、絶好の瞬間に犬が吠えたために鹿を逃がしてしまった。怒りにまかせてその犬を斬り殺したが、犬が吠えたのは狩人に迫っていた大蛇から狩人を守ろうとしたためであったことがわかり、後悔の末に出家した。
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ヤマイヌ 1991年 静岡県 山犬が食い残した獣をイヌオトシという。イヌオトシを無断で持ち帰ると山犬が怒る。山犬は塩好きなので塩を与えるといい。
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カヅマノドウ 1956年 宮城県 牧山の南の岩山の洞窟。間口12メートルばかり、数10人が入れる。昔、牝鹿が牡鹿に会った所とされ、長さ1メートルほどの鹿石が二つあり、神鹿が化したという。踏まずの石とも。
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(ツノガヨンホンアルシカ) 1980年 茨城県 常陸の国の、またくまという山(全隈山か)には、角が4本ある鹿がいるという。
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ヤマイヌ,コエ 1943年 長野県 山に行く途中で鹿を拾い、近くの人に振舞っていると、遠くから山犬のほえる声が聞こえた。怖くなったので、翌日残りの肉に塩を沿えて拾ったところに捨てにいった。そうすると山犬の鳴き声が聞こえなくなった。
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エンコ 1991年 愛媛県 あるおばあさんがエンコを助けたら、お礼に毎朝家の前の鉤に川魚が掛けられた。その鉤を鹿の角に変えたら、エンコが来なくなった。エンコは鹿の角が苦手。川に行くときは鹿の角を身につけると良い。
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カンノンサマ,フエノネ 1929年 熊本県 笛鹿という里では、いつからか観音の堂ができた。観音様は、里に大事があった時には鹿に乗って笛を鳴らして、里へと下ってきた。里の人は、この姿を見ると膝まづき、災厄に備えた。これまで大火を逃れてきたのは、観音様の徳であり、里の名を鹿と笛から笛鹿と名づけた。
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