キツネ 1987年 岐阜県 谷口太十郎(明治45年生)氏の友達が2、3人で歩いていたとき、鮎走に入ったところから狐がずっとつけてきた。注意していたせいかだまされることはなかった。
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ダイジャ 1943年 香川県 昔、当願、暮当という兄弟の猟師がすんでいた。兄は志度寺にお参りし、弟は食料がないので山で狩猟をした。兄は法席で銃声をきき弟をねたましく思ったので、首から下が蛇身となってしまった。弟は兄をかわいそうにおもい、幸田池までおぶっていき、兄の願いをききれ池に入れた。兄は大蛇となって自分の目をくりぬき、この目をかめにいれて酒を造れと渡した。弟は兄の言うとおりに酒を造り、家は栄えた。
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ジャタイ 1975年 香川県 兄弟のうち信心深い兄が寺参りの途中、大きな音がしたので弟が猟で大物を取ったと思ったがそのうち大蛇になった。弟は悲しんで兄を池に連れて行った。以来猟がうまくいかない弟に兄は片目をくり抜き、それで酒をつくれと言った。成功した弟は、大蛇の力を使っていることを咎められ、再び兄を沈めなくてはならなくなった。
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キツネ 1987年 岐阜県 戦前のこと、谷口太十郎(明治45年生)氏の知り合いが夜の9時過ぎに白鳥から国道を歩いていて、近道に入ると狐がついてきて、しばらくすると空高く飛んだかと思うと、次の瞬間、空から石が降ってきたという。
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ホトトギス 1974年 長野県 兄が病気で寝ていると弟がホドイモを持ってきた。兄は弟の食べ物をうらやみ弟の腹を裂くが、中はホドイモの皮ばかりだった。自分は皮を食べて、よい部分を兄に食べさせていたのだった。悲しんだ兄はホトトギスになり、「ホッチョカケタカ、オトットキタカ」と鳴く。
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ユメジラセ 1987年 岡山県 ある人の兄が戦死して1年位してから、夢に兄が兵隊さんに行く格好をして軍足をはいて歩く音がする。はっとみると兄が帰ってきている。帰ったの、と声をかけると、わしゃ行かないけんけぇ、といって出て行った。それでちょうど今のご主人と兄が同じ隊にいたので聞くと、兄がけがした後、兵隊さんと一緒に凱旋してきた日と、夢を見た日が同じくらいであった。父も母も見たことがないといったが、ある人のところには帰ってきたことを知らせに出てきたのだろう。
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ヒヒ 1960年 福島県 昔鉄砲撃ちの兄弟がいた。兄が山深く入ると、女が苧績みしていたが、兄は化け物と思って鉄砲を撃ったが、女は手で受け止めてしまい兄は食われてしまった。弟も山に入り食われる危険を感じたが、叫び声の後静かになり、朝見ると狒狒が死んでいた。
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ハナガサイテイルカワノドテ,ハシ,ハヤクコイトヨブコエ 1977年 福島県 一日行方不明だった男が戻ってきて、死んだ兄と一緒だったと話した。花がさいている川の土手で、せがむ兄に何本もタバコを渡し、兄の呼ぶままに川向こうへ行こうとしたが、気がつくと兄の墓の前にあぐらをかいてうずくまっていた。後で行って見ると、墓地にタバコが何本も指してあった。
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オニ 1941年 朝鮮 ある兄弟の乞食がいた。兄は心がよくなく、弟は良い心の持ち主だった。弟が物を沢山貰うのを妬み、兄が弟の目を棒で突き刺し、弟は盲目になった。ある日弟は固い栗を拾い、ある空き家の二階で休んでいると、鬼が目の癒し方を話している。弟が栗を囓ると音が大きく、それに驚いた鬼たちは逃げた。弟は言うとおり木の葉で目を洗うと目が見えるようになり、鬼たちの置いていった宝で大金持ちになった。兄も同じように目を潰し弟のようにしたが、逆に鬼に殺されてしまった。
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キジン 1935年 沖縄県 一人の兄と妹がいた。兄は人を殺し肉を食っていた。兄は妹にも肉を食わせようと家に招いたが、妹は便所に行くと言って逃げた。兄は追いかけたが、妹が自分は2つ口があり、下の口では鬼を食うと言ったので、驚いて墜落死した。
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ホトトギスニナッタオトウト 1956年 宮城県 昔、弟思いの兄と、自分のことしか考えない弟の2人兄弟がいた。ある日兄は芋を掘り、自分はガンタン(芋のつるの下のおいしくない部分)を食べ、実は弟に食べさせた。弟は「俺にこんなにうまいところを食わせたから兄はもっとうまいところを食ったに違いない」と疑り、兄を殺して腹を割き胃袋を調べた。しかしそこにはガンタンばかりだった。その悪業により弟はホトトギスになり、「ポトサケタ、ポトサケタ」と8千8声日に鳴いて罪滅せねばならなくなってしまった。だから日中に鳴ききれないと、夜中まで「ポトサケタ、ポトサケタ」と、血を吐きながら鳴かなくてはならない。
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ダイジャ 1987年 徳島県 山を焼いてそばを作る兄弟がいた。あたりでは直径25センチもの大蛇が出るということで、兄弟以外はみな山を下りていた。ある日、ザーザーと山鳴りがして大蛇が兄弟の前に現れた。兄は逃げ帰ったが、力自慢の弟は退治しようと大蛇と闘った。皮が固く、仕留められないまま家に帰った。兄達は弟が食われたと思って提灯をつけて探し回っていた。
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カッパ 1930年 宮崎県 ある兄弟がいて、9つになる弟が夏の日に水泳ぎに行ったまま帰ってこないので、兄が探しに行ったら、弟は、10人余りの河童とかわるがわる相撲をとっていた。
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(ゾクシン) 1978年 新潟県 谷口の神様は位が高いので、谷口で生まれた人たちは出産で死ぬことがないといわれている。
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ヘイソクノカイイ 1952年 山梨県 葬式のとき「カミタテ」に用いた幣束が兄のところに落ちた。兄が「うちの子が死ぬんじゃないか」と思っていたら、そのとおり死んでしまった。
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キツネ 1989年 山梨県 今ダムになっているところに、昔は道があった。そこのオオクボザワのところを歩いていて、道ではないところに道が見えて下の方の道でもないところへ行ってしまった。キツネ話である。
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シンダヒトヲセオッタオンナ 2000年 山奥で「つりてぃこー」という女の声がした。貧乏な兄弟が声の正体を確かめることにした。まず兄が山に入ったが、怖くなって逃げてしまった。次に弟が山に入った。するときれいな女の人が現れた。女の人は背負っていた死体を弟に背負わせて逃げた。弟は死体を背負って家に帰り、布団に入って寝た。翌朝、死体は黄金の塊になっており、兄弟は金持ちになった。
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(キダン) 1976年 ある人に兄弟が10人いた。兄から、年の順に死んでいった。その妻達もまた同様であった。
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ヒヒ 1984年 愛知県 ヒヒには神通力があり、ソマ師が思ったことを言う。ソマ師が木の皮を削っていてコッパがあたると、「人間は思わぬことをするから恐ろしい」といって行ってしまう。
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ウニガマ 2001年 鹿児島県 塩道にオニガマという場所がある。そこに兄妹が住んでおり,兄は鬼だった。兄が人の骨などを炊いているのを妹が見つけ,逃げ出した。兄が追いかけてきたが鍋に引っかかったので妹は逃げられたという。
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テング 1996年 神奈川県 いなくなった子供が向こうの方の山のところで泣いていた。天狗にさらわれたと言っていた。舟原の方の山には天狗石がある。
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