トンチボ 1995年 新潟県 トンチボに憑かれると目がくらまされたようになったりバカのようになってしまうという。また獣のように際限ない食欲を示し、箸や風呂を使ったり出来なくなる。人を嫌い、夜外出したがる。動物としてのトンチボの属性を付与された状態といえる。またアリガタヤがトイギキすると、魚、酒、揚げ物などトンチボの好む食べ物を要求する。
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トンチボ 1995年 新潟県 弘法峠で魚などを負ってくるとその魚が欲しくてトンチボが化かす。家族に化けて「俺が負うてやる」とか、「迎えに来た」といって騙し、気が付くとトンチボであるという。フワーンとしていると騙されやすい。
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(トンチボニバカサレル) 1984年 新潟県 歩くと化かされる道がある。それは「トンチボ(ムジナ)の仕業」という。化かされたときはトンチボは周囲3尺のところにいるという。
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トンチボ 1995年 新潟県 竹やぶの中から畦を通って家に帰ると気分が悪くなった。ショウジンバアに拝んでもらうと、トンチボに通してくれといわずにトンチボのいるところを通って踏んだので、腹が立ってイマッタ(忌まう)という。まじないをしてもらって治った。
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トンチボ,ムジナ,ヤマノカミ,ジュウニンサン,サイノカミ 1995年 新潟県 トンチボはヤマノカミ、ジュウニサンサイノカミなどいくつもの名を持つ神として語られる。またそれらはトンチボ自身であるともいわれる。人間のような名を持つトンチボは100匹以上にのぼり、また牛神、龍神など様々な神と同一視されることもある。サイノカミも同一視される。また歴史的にもトンチボは複雑な習合を繰り返している。
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トンチボ,ムジナ,タヌキ 1995年 新潟県 トンチボは火をばあっと風が吹いたように見せる。ムジナも狸も同じものという。5匹いても1匹の足跡のように見せる。酒に酔っていると騙されて水溜りに入れられる。誰かを待っていると木を切る音やがやがや人がいるように見せたりする。「オイ」「ヨイ」とひとこえでヨボル。トンチボよけにラジオやマッチを持って山へ入る。食べ物がないので最近田に出る。
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トンチボ 1995年 新潟県 トンチボはヨモギネコに化ける。ヨモギネコを見るとトンチボに化かされる前兆といわれる。
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トンチボ,ヤマノカミサン 1995年 新潟県 あるジイサンが栗拾いに行くと薄暗いころ、こくらやというところの出っ張りにトンチボがいた。人間みたいになっていた。人間だと思って近づくといなくなる。そういう風にして人を化かす。よく人を騙す物をトンチボみたいだという。また目の前を通っていったこともある。大きなものだったという。
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トンチボ 1995年 新潟県 器量の良い姉さんが来たので避けようと思うとぶつかってきた。あっと思って振り返ると姉さんはいなかった。トンチボの仕業という。トンチボの肉を食ったこともある。おいしいという。
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リュウ,ダイジャ 1995年 新潟県 ヤマノカミサン(トンチボ)に礼をしようと思い、カミオロシをすると便所、電気、井戸が欲しいといった。感じる場所があり井戸を掘ると龍(大蛇)の骨が出た。630年前に崖崩れで埋まったのだが、世に出たくて掘らせたのだとアリガタヤの師匠が言った。子々孫々の代まで困ったことがあれば相談に来いといった。
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ツキモノ,ネズミ,ヘビ 1965年 宮崎県 憑かれた人は、憑きものが蛇のときには蛇のしぐさ、鼠のときには鼠のしぐさをするものという。
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トンチボ 1995年 新潟県 トンチボは人間の形で人前に現れることがある。山道、山中で人に出会うという形で語られる。ある男が人間に化けたトンチボを車に乗せたが、煙草を吸うときゃんといってその人は消えた。あるトンネル付近で文金高島田の女性がシャナリ、シャナリと歩いているのをトンチボと見抜き、煙草やケシズミを投げるとキャンと言って姿を現したという。ほかにオイ、オイと呼んだり、木を切るような音を聞かせたり、話し声を聞かせて人がいるように見せかけるという。
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カリコボウ 1992年 宮崎県 カリコボウは風呂が好きで、熱く沸かしておかないと入りに来るといわれた。カリコボウに入られた風呂は、生臭いやら小便くさいやらでとても入れない。
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ネコ 1989年 宮城県 酒を飲んでいい機嫌で魚を背負って歩いていると、猫が畑の肥料が入ったドブを風呂に見せるどぶの中に入って「いい風呂だ」などと言い、他の人に指摘されるまで気づかない。そして猫は魚をもって行って食べてしまう。
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コウホウタイシ 1934年 秋田県 昔、犬は三本足だった。弘法様が不便だろうと一本加えて四本にした。それで犬は小便をするとき、弘法様からもらった足を大事にして後ろ片足を上げて汚れぬようにする。
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キツネモチ 1922年 島根県 ある茶屋の婆さんは、昔ある家から狐を買い求めたといわれており、その婆さんに妬まれると狐に憑かれる。憑かれた家は祈祷や呪いをしてもらったりするが、それでも落ちなければ持ち主の婆さんを迎えに来させる。余り難儀をかけるので家族がその狐を封じてもらったといい、近頃はその話を聞かなくなった。
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キツネ 1982年 宮城県 風呂に入れと声をかけられて、峠で川に入って死んだ人がいる。狐の仕業。
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コウボウ 1986年 滋賀県 弘法さんが柿を欲しいと望まれたが、鍋を磨いていたので手が黒かったので、柿は今でも黒い。鍋黒柿と言う。
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キツネ,(ツキモノ) 1989年 長野県 キツネが人に憑くことがある。憑かれたら、祈とうしてもらう。疱瘡流しのときのような物を作って拝んでもらい、川へ夜中流しに行ったという。
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ヤマノカミサン 1929年 岩手県 峠の上の鳥居にたくさんの石があり、峠を上り下りしたい人は石を二つそこに供えると、楽に進むことが出来る。堂も祭もないが、ヤマノカミサンと呼ばれている。
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ハシ 1931年 沖縄県 箸は魚に化ける。洗った箸が出てこないのは、魚に化けて流し元から逃げたのである。
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