シロイテ,クロイテ,ボウレイ 1933年 京都府 無念の自殺を遂げた学生がいた。大学時代、筆者と友人は同じ下宿の相部屋であった。友人が亡くなった後、夜寝ていると、筆者を招く大きくて白い手を見た。また、黒い手に目を押さえつけられたり、指の長い黒い手に頭を絞められたりしたことがあった。
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カネ 1980年 和歌山県 耳のそばで鐘が鳴ると、友人が死ぬ。
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タヌキ 1981年 和歌山県 1960年ごろのこと、話者が炭焼きをしていると、いつも一緒に来ている友人が来ない。おかしいと思っていると昼前に手足を茨で傷つけて、服には蜘蛛の糸をつけた友人が来た。朝早く来て狸に化かされ、連れ回されていた。
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キツネ 1939年 青森県 ある木挽きが、友人と狐穴を燻してつかまえた子狐を飼おうとしたが、殺してしまった。その木挽きは、毎夜、知らない声に誘われるようになった。家人は留めていたが、ある夜、隙を見て外出し、行方知れずになった。友人もいなくなっていた。翌々日、山で木挽きは首を吊っており、友人はそのそばでぼんやりしていた。傍には狐の座った跡が残っていた。
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ゴーライ 1949年 和歌山県 ゴーライもカシラも自由自在に化ける。友人と川岸にいると、友人が「かんざしが流れてきた。取ってくる」といって川に飛び込み、そのまま死んでしまった。そのかんざしは友人にしか見えず、死骸の尻が抜かれていた。ゴーライがかんざしに化けていたのである。
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(アメニアルクオトコ) 1981年 東京都 大雨が降っている夜に、忠兵衛が友人と歩いていた。払方町を通った時、下駄の鼻緒がゆるんだので友人を先に行かせたところ、井戸の脇から黒羽二重・はさみ帯・網笠をかぶり、中抜き草履を履いた者が出てきて井戸のまわりを歩いていた。けしからぬ者と思ったが、後で友人に見たかと問うとそんな者は知らないと言われた。
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タヌキ,ボウズ 1981年 京都府 春の早朝に山中に入ると先行者がいた。悪い狸が棲むので有名な岩門という場所まで来ると、友人が狂ったように走り回っていて、坊主を追いかけていると言った。友人は声をかけると我に返ったが、その坊主はついに見えなかったという。
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(ユウレイ) 1989年 静岡県 大きな被害が出た狩野川台風の後、熊坂で幽霊を見た人がある。雨の降る夕方に、古い友人と出会い、立ち話をした。訪問を約束して別れた後、その友人が水害で死んだはずだと思い出し、振り返るともう姿はなかった。
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キツネ 1999年 宮崎県 えびのの入佐原には太郎狐、中原には千代乃狐という有名な化かす狐がいた。岡本の人が正月祝いの帰り、友人が「話が残っていた」と引き返したので、一人で歩いていた。しばらく行くと、その友人が先回りしていた。「早かったな」と言いながら歩いていたが、どんどん違うほうへ行く。そのうち友人も消えて目の前は山になり、酔いが廻ってきて寝てしまった。目が覚めると腰につけていた料理は盗まれていた。狐の仕業。
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テヌグイ 1933年 岐阜県 源次という信心厚い者が、手癖の悪い友人と立山に登った。少し後れて行った友人が路傍の割木を盗もうとしたら、頬冠りしていた手ぬぐいが落ちてそのままなくなったので、そのまま家に帰った。源次が立山の山頂に行くと、空から手ぬぐいが落ちてきた。それは友人の手ぬぐいだった。
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タヌキ 1939年 大阪府 ある男が急に大食になった。尋常でない飲み食いをするので、男の妻は困り果てた。友人も駆け付けると、やがて、犬に警戒しつつ表を歩き出した。急に逆立ちをしたので、友人が背中を叩くと男は我に返った。きっと、狸に憑かれたのだということになった。
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ヒダルガミ 1931年 奈良県 執筆者の弟が友人と3人で生駒山から信貴山へ遠足の途中、生駒山中で急に眼がくらんで歩けなくなった。友人に運んでもらい、その地を離れると急に元気になった。
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キツネ 1967年 石川県 山で仕事をしていると友人の声で呼ぶ。呼ばれた者は道のないところを歩かされてしまう。狐に化かされた。
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ヒトダマ 1983年 東京都 関野町で、市議会議員をしていた人が亡くなって、その通夜の夕方、隣の家に遊びに来ていた娘の友人が帰るのを見送っていたら、その友人が眼前に人魂を見たと言う。そこは、その議員がいつも自分の自動車を置いている場所だったと言う。
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テング 1987年 富山県 春先に友人の母が急にいなくなった。天狗にさらわれる筋の者だったので、おそらく連れて行かれたのだろう。
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タヌキ 1939年 大阪府 真夜中に筆者の姉の琴が鳴り出した。父の寝返りの音で一旦は止んだが、しばらくするとまた鳴り出した。それでも夜明け前には止んだので見てみると、弦が2・3本切れていた。筆者は、狸が悪戯をしたためだと考えている。
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コリ 1937年 大阪府 畑の畦道を歩いていると、辺りが突然真っ暗闇になった。しばらくすると元に戻ったが、その場にいた筆者の母が、後年、あれは狐狸の仕業であると筆者に語った。
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マボロシ,テング 1963年 福島県 昭和十年旧正月に中野和夫老は友人とバンドリ撃ちに出かけた。友人が道に迷ったうえあるはずのない巨樹の林に入り込んだ後不思議な景色が続いた。そのうち激しい音がして進めなくなり、大風雪に遭った。里に戻ったら晴天だった。
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オニ 1979年 大分県 筆者の郷里に渡里という場所がある。土地の古老が言うには、ここは鬼の首を埋めた場所だという。ただし筆者によれば、これは賊の事を指しているのだろう。
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カナシバリ,オバアチャン 1999年 栃木県 私の友人はよく金縛りにあう。頭ははっきりしているので目を開けると、おばあちゃんが立っているそうである。
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タヌキ 1937年 大阪府 筆者とその母が橋を通りかかると、饅頭笠を被り、挟み箱を肩にした男が、両足を行儀よく揃えて直立しているのを目撃した。翌朝、母は筆者に、昨日の男は狸が化けたものであると教えた。
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