ママノカネヨメ 1965年 山形県 ままを食わずによく仕事をする嫁を不思議に思った男が、ある日梁の上から嫁を観察した。嫁が髪の中をざぐっと開けると口があり、大鍋で焚いたままを流し込んでいた。男は嫁を里に帰す途中で食われそうになったが、蓬と菖蒲の生えた所に逃げ込み助かった。
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キレイナオンナ,バケモノ 1939年 長崎県 不意の事故で父を亡くした親孝行な男が、きれいな女を嫁にもらった。嫁が求めた家は毎夜化物が出る家であったが、夜が明けてみると、嫁は居なくなり、家の中には金が沢山落ちていた。
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オニ 1933年 岩手県 飯を食わない娘を嫁にもらった男がいた。けれども男が外出するたびに米がたくさん減る。そこで外出したふりをして覗いてみると、嫁は頭の上の口から握り飯を食べていた。その嫁は実は鬼だったのである。
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クワズニョウボウ,クモ 1981年 鳥取県 欲深い男が物を食べない嫁をもらった。しかし屋根裏で見ていると、髪をほどいて頭の中に大量の飯を入れているのを見てしまう。男が嫁に帰るよう言うと、嫁は男をだまして俵のなかに閉じ込め、山のおくの蜘蛛の子供たちに食べさせようとする。しかし男は途中で逃げ出し難をのがれた。
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アカネコヤシキ 1964年 福島県 1人家に取り残された嫁をかわいそうにおもった猫が、嫁に歌を聞かせる。ただしこのことを人に教えたらかみ殺す、という。帰ってきた家族が歌を聞きつけ、嫁に誰がうたったのかをせびるので、本当のことを言ってしまった嫁はその晩のどを噛み切られて死んでしまった。
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ヨメ 1983年 長野県 欲深い男が飯を食べない嫁をもらったが、蔵の米がなくなっていくことを不思議に感じた。男は留守中に飯を頭上の孔に入れる嫁を見つけた。捕まったが何とか逃げて、菖蒲とよもぎの間に隠れた。嫁の姿をしていた山姥は男を発見できなかった。
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キツネ 1928年 新潟県 50年近く前、嫁が姑と畑仕事をしているとき、石を投げたら狐に当たった。3月後、嫁は病気になり、巫女に占ってもらうと狐がついていた。狐が嫁の世話をして欲しいというので、姑は言われたとおりにした。2,3日後、夜中に狐の嫁入りがあり、その後、嫁の病気はよくなった。
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クワズニョウボウ,オニ 1939年 岩手県 あるケチな男が口のない嫁をもらうが、この嫁は頭に口のある化物であった。男は隙を見て逃げ出すが、女は鬼の姿になって追ってきた。菖蒲や蓬の中に逃げ込んだおかげで、男は助かった。
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ゲドモチ 1922年 島根県 石見にはゲド持がある。短期間で裕福になった家はゲド持と噂される。ゲド持の家の稲を刈入れ時に取ったものがいたが、間もなく狂人となり、「△△のゲドがやってきて俺を噛む」などといった。普通の人には見えないが、その人にはゲドが見え、猫位の大きさで、黒褐色の毛色をしているといった。ゲド持と親類になるとゲドの分かれが行ってゲド持ちになるので、縁組しない。
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ゲドモチ 1922年 島根県 ゲド持ちというのがある。急に金持ちになった家をいう。ある家の稲を盗った者が狂人のようになり、「○○のゲドが噛みつく。助けてくれ」などということがあった。ゲドは猫位の大きさで、黒褐色の毛色をしているという。○○の家では毎朝奥の方に祭ってあるものにお膳立てして供える。晩に行くと綺麗に食べられているという。その家ではそれを祭らないと祟りを受けるという。ゲド持ちと親類になるとその家にはゲドの分れが行ってゲド持ちの仲間になるという。だから縁組をしない。
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キツネ 1978年 岐阜県 欲深な男が、飯を食わない嫁が欲しいと言ったら、その通りの嫁が来た。嫁の正体は狐で、男の留守に沢山の食物を食べていた。気づかれたと感づいた狐は、男が風呂に入ったとき、風呂桶ごと担いで山へ連れて行った。男は風呂桶から逃げ出して帰ってきた。
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サワリ 1985年 青森県 孫の嫁が5、6年前から家に帰ってこないという人が相談にきたので拝んでみると、その嫁の実家の祖父が妻を追い出し、その妻が怨みを残して死んだため「障り」になっているという。寺へ行って謝らせるとしばらくして嫁は帰ってきた。
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ヘビ,ヨメ 1936年 岐阜県 山であった女を嫁にした。嫁は飯を食べなかった。子が生まれる時にその姿を見ないで欲しいと頼まれた。覗き見ると大蛇であった。嫁は目を子の為に残して池に帰った。目を盗まれたので池に行くと残っていた目をくれた。盲目になった嫁の為に寺へ鐘を寄進した。
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ヌマノヌシ 1928年 福岡県 昔、姑が嫁の虐待に耐えかねて、嫁を憎んで沼に身を投げて死んだ。その怨霊が嫁を取り殺し、沼の主になって道行く人にまで祟るようになった。
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ヘビ,タタリ 1959年 岡山県 道通様の信者から嫁を貰う事を昔は敬遠した。これは道通様のオツカイシメが執念をもつとかんがえられたからである。実家に帰りたい嫁を帰さないとその嫁の主人の枕の下に蛇がウジャウジャと出てきて夫を悩ませた。その翌晩には嫁の体が蛇の体に変わった。そのためぞっとして離縁したという話がある。
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ニオウ 1977年 神奈川県 ある嫁のところへ仁王様がいい男になってやってきたのだが、その嫁が臭いおならをしたので、仁王様が逃げ出した。嫁は「におうか、におうか」と言った。
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クワズニョウボウ,クモ,ヨモギ,ショウブ 2001年 青森県 物のなかった時代に、物を食べない嫁が欲しいと言っていたところ、本当にそのような嫁が来た。しかし、食べずとも働くのでおかしいと思って夜に起きて見ていたところ、大きな釜でご飯を炊いて、クモのように頭にある口からそれを食べていた。見られてしまった嫁が追ってきたのでヨモギと菖蒲が沢山育っている湿地に隠れたところ、嫁はそこに入ってくることが出来なかった。
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ムジナ 1988年 群馬県 羽沢で初めての子を1歳で亡くしてしまった嫁がいた。嫁はその初七日の日の朝早くに出かけ、もどり道に前を歩くきれいな男がいたが、その人はいつの間にか消えてしまう。帰ってきてから嫁の様子が変なので、ムジナが憑いたらしいということになり、いろいろと対処するが効き目がない。そのうちに、大仁田村でムジナが鉄砲で撃たれた。すると嫁の病気が治ったので、このムジナが憑いていたことがわかった。キツネはすぐ離れるが、ムジナは馬鹿なのですぐには離れないそうだ。
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ヤマンバ 1958年 岩手県 ある男がものくわぬ嫁が欲しいと言って、山んばが嫁にきた。5月4日の里帰りに餅をついて、臼に男を入れて山に入った。男は木の枝にぶら下がって逃げ出して、蓬と菖蒲の中に隠れて助かった。
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ヘッピリヨメゴ 1956年 宮城県 屁っぴり娘が年頃になり嫁にいったが、屁をこらえていたので顔色が悪くなった。心配した姑が話を聞いて、「心配せず屁をたれろ」と言ったので、嫁は「炉ぶつにつかまって」と言ったので姑は言うとおりにした。嫁が屁をやらかすと姑は向い山までふっとんだ。腰をさすりながら帰ってきた姑に追い出されて、嫁は実家にも戻れず、街道をずっと歩いていた。途中木綿屋の前で木いっぱいになった梨を落とせなくて困っていた。嫁が全部取ると言うと、木綿屋のおやじが「取れるもんならとってみろ、とれたら反物をうんとやる」という。嫁が屁をやらかすと梨は大風にあったようにすべてもげた。約束どおり反物をいっぱいもらい家に戻ると、姑ガガも喜び、「お前の屁はそんなに役に立つのなら家にいろ」と嫁はまた家に戻れたという。
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イワガミサン 2000年 大阪府 イワガミサンの岩を切り出した人が急に腰が立たなくなった。運ぶのを手伝った人も腰が痛くなった。
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