部屋の中で火鉢を挟んで化物たちが語らっている。右側には禿頭で3本指の男。赤く開いた口からは舌が伸び、指には鋭い爪がある。左手前には肌が赤く禿げ頭で太い老人が毛皮の敷物に胡坐をかいている。その男の右肩を小ぶりな化物が後ろから揉んでいる。左手奥には、肌が青白く白髪の老婆が、両の掌を開き立膝で身を乗り出すように座っている。その表情は笑みを湛えている。最奥には襖の陰に隠れるようにして、男が部屋の様子をうかがっている。男の肌は浅黒く、目の周りはさらに黒く口をへの字に曲げている。右側の男が左側の夫婦と思われる化物に縁談を持ちかけ、息子である男が襖の奥から様子をうかがっている場面と思われる。 |