日文研の話題 平成25(2013)年度
伝統文化芸術総合研究プロジェクト公演会を開催(2014年3月26日)
趣旨説明を行う笠谷和比古教授
第一部:座談会・楽器解説
第二部:実演
3月26日(水)日文研ホールにて、伝統文化芸術総合研究プロジェクト公演会「ルネサンスダンスと筑前琵琶による「安寿と厨子王」」を開催しました。
この舞台作品は、伝統文化芸術総合研究プロジェクトの今年度公演会のために、ヨーロッパ宮廷舞踏の一つルネサンスダンスと、我が国琵琶楽の一流派筑前琵琶の様式を基に、新たに制作されたものです。
笠谷教授による趣旨説明の後、第一部では、ルネサンスダンス、筑前琵琶、リュート、ヴィオラ・ダ・ガンバ、ダルシマー等、あまり知られていないヨーロッパ宮廷ダンスの歴史やステップ、それぞれの楽器、そして東西の楽曲構成原理の違いなどについて、トーク形式による解説を行いました。
第二部では、日本の代表的な説話「安寿と厨子王(山椒大夫)」をルネサンスダンスと筑前琵琶、更に新たな作曲も加え一つの舞台作品として構成し上演しました。
当日は445名の聴衆が熱心に見入っており、公演の模様は海外にもインターネットのライブ放送により発信されました。
(本ウェブサイトの映像ライブラリからご覧になれます。)
第55回学術講演会を開催(2014年3月18日)
講演を行う白幡洋三郎教授
講演を行う戸部良一教授
花束を贈られた戸部教授(左)と白幡教授(右)
3月18日(火)日文研ホールにて、白幡洋三郎教授・戸部良一教授の退任を記念した第55回日文研学術講演会を開催しました。
小松和彦所長の挨拶の後、最初に戸部良一教授が「太平洋戦争を考える」と題して、太平洋戦争の性格や原因など、歴史認識とも絡み合って複雑化・政治化したこの問題について講演しました。
引き続き、白幡洋三郎教授が「山と島―日本庭園の源流と日本の自然観」と題して、山と島は日本の庭園と祭礼・神事とをつなぐものではないかとの考えのもと、日本の庭園をつくってきた日本人の自然観の特質について講演しました。
当日は588名の聴衆が来場し、終始熱心に聞き入るとともにメモを取る様子も見られました。また、講演の模様は、インターネットのライブ放送により海外にも発信されました。(本ウェブサイトの映像ライブラリからご覧になれます。)
桂坂小学校で出前授業(2013年11月~12月)
日文研の地域連携活動の一つとして、小学生にも日文研の研究活動の一端に触れてもらうため、11月と12月に、近隣の京都市立桂坂小学校で出前授業を実施しました。これは毎年実施しており、今年で18回目となります。今回は、教授をはじめ外国人研究員など計8名が、児童に関心を持ってもらえるような授業テーマを用意し、5年、6年の各4クラスを対象に行いました。
5年2組授業風景/細川教授
5年3組授業風景/戴研究員
5年4組授業風景/北浦助教
6年1組授業風景/マック研究員
6年2組授業風景/根川研究員
6年3組授業風景/笠谷教授
6年4組授業風景/高馬研究員
5年1組授業風景/末木教授
5年1組で行われた、末木文美士教授による授業テーマ「ほとけさまたちのパワー」では、仏像を楽しく見るための知識について映像でわかりやすく説明され、子どもたちも夢中になって聞き入り、積極的に発言していました。
今回実施しました担当教員と授業のテーマは次のとおりです。
クラス | 担当教員 | テーマ |
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5年1組 | 末木 文美士 | ほとけさまたちのパワー |
5年2組 | 細川 周平 | ブラジルってどんな国? |
5年3組 | 戴 暁芙 | 中国の教育現状と抱えている問題点について |
5年4組 | 北浦 寛之 | 宮崎駿映画の魅力 |
6年1組 | エドワード・トーマス・マック | 海外日本人 |
6年2組 | 根川 幸男 | 移民に学ぶ日本と世界の歴史 |
6年3組 | 笠谷 和比古 | 徳川吉宗と日本の近代化 |
6年4組 | 高馬 京子 | 日本のカワイイ、フランスのkawaii |
大学共同利用機関シンポジウム2013に参加しました(2013年11月16日)
大学共同利用機関協議会主催によるシンポジウム「万物は流転する ―因果と時間―」(会場 東京国際フォーラム)にブース展示に参加しました。このシンポジウムは、大学共同利用機関法人(人間文化研究機構、自然科学研究機構、高エネルギー加速器研究機構、情報・システム研究機構)を構成する19の機関と、独立行政法人宇宙航空研究開発機構宇宙科学研究所、国立大学法人総合研究大学院大学、計21機関の学術研究の一端を広く一般の方々に知っていただくため、2010年から毎年1回、合同で開催されています。
ブース展示では、当センターの研究内容及び展示物等の説明に、来られた方々は興味深く耳を傾けられるとともに、多くの質問も寄せられ、一般の方々に大学共同利用機関のこと、日文研のことを知っていただく機会となりました。
また、4機関の研究者による講演には約250名の参加者があり、各講師の講演に熱心に聞き入っていました。
当センターの広報を行う職員
多くの方がお越しになったブース展示の様子
シンポジウム会場の様子
大学共同機関シンポジウム2013 「万物は流転する―因果と時間―」
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[日時]平成25年11月16日(土)12:00~17:00
[場所]東京国際フォーラム ホールB7 -
[講演]
- 多田 将(高エネルギー加速器研究機構 素粒子原子核研究所 助教)
- 演題:「ニュートリノ振動実験 -この世で最も小さな粒子を探る、この世で最も大きな実験-」
- 間野 修平(情報・システム研究機構 統計数理研究所 准教授)
- 演題:「時間をさかのぼる推理-ゲノム解析から明らかになる私たちの起源-」
- 武井 協三(人間文化研究機構 国文学研究資料館 名誉教授)
- 演題:「『曽根崎心中』の因果応報 -作者近松はなぜ残酷になるのか-」
- 伊藤 公孝(自然科学研究機構 核融合科学研究所 教授)
- 演題:「法則と予測 -過去・現在・予測・そして未来-」
一般公開を開催(2013年10月31日)
10月31日(木)に「日文研一般公開」を開催しました。この催しは、一般の方々に日文研の活動を広く紹介するため毎年秋に実施しており、23回目を数える今回は419名の来場者がありました。
当日は、教員によるシンポジウム「日本文化における折衷と習合」、セミナー「前近代の日常生活史」、特別企画「私の研究の国際性および学際性」が行われ、熱心にメモをとる来場者も多く見られました。
そして、セミナーと関連した日文研所蔵資料の展示「くらしの歴史をふりかえる」―日記および日常生活史史料-では、併せて倉本教授からの解説も行われました。
この他にも、普段一般の方々には見ることのできない図書館等の施設案内、映像とデータベースコーナーや、来場者と日文研の風景写真とを合成したカレンダーのプレゼントコーナーなどが催され、来場者から多くの関心と理解が寄せられました。
なお、当日のセミナーの様子は、本ウェブサイトの映像ライブラリに収録されています。
記念スタンプを押す来場者
教員による施設案内の様子
活発な意見が交わされたシンポジウム
梅原猛先生米寿記念特別講演会、創立記念パーティーを開催(2013年5月22日)
日文研創設期の話を披露される梅原猛顧問
講演会の様子
5月22日(水)、日文研ホールで、当センターの初代所長で現顧問でもある梅原猛先生の米寿を記念し、特別講演会を開催しました。
小松和彦所長の挨拶の後、梅原先生が「私の学問と芸術」と題して、高校時代にプラトンに感銘を受けて哲学を学び始めたことなどのエピソードを交え、自らの歩みや日本学について講演されました。当日は、約500人の参加者があり、終始熱心に聞き入っておられました。また、講演の模様は、インターネット放送により国内だけでなく海外にも発信しました。(放送内容は、当センターのウェブサイトに収録されています)
創立記念パーティーの様子
左から猪木前所長、梅原顧問、司会を務めた戸部教授、
小松所長梅原猛顧問による祝辞
講演会後は、当センターの26周年(昭和62年5月21日創立)を記念した創立記念パーティーを開催し、元教職員、現役教職員、外国人研究員や大学院生など約140人が参加しました。パーティーは、戸部良一教授が司会を務め、小松所長の挨拶で始まり、猪木武徳名誉教授(前所長)、梅原先生の祝辞の後、倉本一宏教授による乾杯の発声で歓談が始まると、参加者は数々の思い出に話が尽きない様子でした。