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講演を行う安田喜憲教授

3月23日(金)日文研ホールで、安田喜憲教授の退任を記念して第50回日文研学術講演会を開催しました。
猪木武徳所長の挨拶の後、ジョン・ブリーン教授が「『神都』物語:明治期の伊勢について」と題して、近代の伊勢神宮に関する研究について講演しました。続いて、安田喜憲教授が登壇し、「環境考古学への道」と題して、同教授がこれまで研究者として歩んできた環境考古学への道を振り返り、研究者として生きることの意味や学問をすることの意味についての講演をしました。
500名を超える聴衆が熱心に聞き入り、その模様はインターネット放送により国内だけでなく海外にも発信されました。(当日の放送内容は、日文研のホームページに収録されています。)


2月17日(金)日文研講堂で、伝統文化芸術総合研究プロジェクト公演会「新作能『ルター』(試作)」を開催しました。同プロジェクト(プロジェクト長:笠谷和比古教授)の公演会ではここ数年、日本の伝統楽劇、特に能楽を題材として西洋管弦楽との統合を試みるなど、その現代的可能性について検討してきました。
今回は宗教的新作能『イエスの洗礼』のヴァチカン公演にも参加するなど、これまで新作能の制作に携わってきたルーテル学院大学の上村敏文准教授(日文研共同研究員)の創案による、宗教改革500年記念の新作能『ルター』の試演を行いました。
笠谷教授の趣旨説明の後、第一部では「新作能『ルター』をめぐって」と題して、上村敏文准教授による新作能の解説を行い、第二部では、創案:上村敏文氏、監修:大倉源次郎氏(小鼓方大倉流十六世宗家)、コーディネーター:笠谷和比古氏による新作能『ルター』(試演)を上演しました。出演はルター:上田公威(シテ方観世流)、キチカエ:上田拓司(シテ方観世流)、笛:竹市学(笛方藤田流)、地謡:上田大介、藤谷音彌、上田宜照、上田彰敏、上田顕崇(シテ方観世流)の8氏。
当日は470名余りの観客が熱心に見入っていました。この模様はインターネット放送により国内だけでなく、海外にも発信されました。(当日の放送内容は、日文研のホームページに収録されています。)


2月23日(水)日文研講堂で、伝統文化プロジェクト公演会「能楽と西洋管弦楽との協奏 ―能『小鍛治』を題材に―」を開催しました。これは能楽の音楽の現代的展開を試みるシリーズの第4回目にあたります。公演の第一部では「能の構成と音楽的性格」と題して笠谷和比古・日文研教授により、能「小鍛治」の作品内容と楽曲構成の解説を行いました。第二部では「西洋管弦楽法による能『小鍛治』」と題し、作曲者・武内基朗氏の解説を交えつつ能「小鍛治」を対象として、新楽曲「小鍛治〜謡と管弦楽のための(2011)」をCD版により演奏しました。当日は、550名を超える聴衆が熱心に聞き入っていました。公演の模様は、インターネット放送により、国内だけでなく海外にも発信されました。(当日の放送内容は、日文研のホームページに収録されています。)
小学生にも日文研における研究活動の一端に触れてもらおうと、昨年12月から本年1月にかけて近隣の京都市立桂坂小学校5、6年生に出前授業を実施しました。
これは、地域連携の一つとして例年実施しているもので、今年度は8クラスで授業を行いました。
今回も各教員が児童に関心を持って聴いてもらえるようなテーマを用意し、日文研における研究活動を分かりやすく紹介しました。








5年4組で行われた安田教授の授業「モアイとナマハゲどっちがえらい」では、子どもたちも聞いたこ
とのある「モアイ」をテーマに取り上げ、それが造られた理由とその背景にあった環境問題について、パワーポイント資料を用いて楽しく講義を行いました。現代の問題点にもつながる興味深いテーマで、児童も真剣に聴き入っていました。
今年度実施した担当教員と授業のテーマは次のとおりです。
| クラス | 担当教員 | テーマ |
|---|---|---|
| 6年4組 | 荒木浩 | <心>と文字 |
| 5年3組 | クレインス フレデリック | 日本とオランダ |
| 6年1組 | 鈴木貞美 | 楽しい賢治、悲しい賢治 |
| 5年4組 | 安田喜憲 | モアイとナマハゲどっちがえらい |
| 6年3組 | 山田奨治 | マンガは世界にどう伝わったのか |
| 5年2組 | 伊東貴之 | かるたで学ぶ日本の歴史 |
| 5年1組 | 佐野真由子 | 万国博覧会と日本人 |
| 6年2組 | 榎本渉 | 日本に伝わった漢字の読み |

この企画は、大学共同利用機関協議会主催による初の試みとなるシンポジウムで、大学共同利用機関法人(人間文化研究機構、自然科学研究機構、高エネルギー加速器研究機構、情報システム研究機構)を構成する19の大学共同利用機関等と独立行政法人宇宙航空研究開発機構宇宙科学研究所が、国立大学法人総合研究大学院大学と合同で行ったもので、本センターもブース展示に参加しました。
当日は、土曜日の午後とあって、300名超す老若男女の参加がありイベントホールは満席で、参加者は各講師の講演を熱心に聞き入っていました。
また、各研究機関のブース展示では教職員による研究内容及び展示物等の説明にみなさん興味深く耳を傾けられ、多数の方に大学共同利用機関が日々行っている最先端の研究について知っていただく機会となり、このシンポジウムは成功裏に終えました。

日文研の出版物紹介
セミナー「日本文化と妖怪」 国際日本文化研究センターは、10月21日(木)に一般公開を行いました。この催しは毎年秋、一般の人々に日文研の活動を広く紹介する目的で実施しているもので、今回で20回目を迎え、およそ560人の来場者で賑わいました。
雨模様の中、「日本文化と妖怪」と題したセミナーや、妖怪が描かれた絵巻物などの日文研所蔵資料展示に朝から熱心な来場者が多く見られました。
午後からは、シンポジウム「近代国家の文化と暴力」において、ジョン・ブリーン准教授ら3名の教員がそれぞれの研究において出会った暴力の特殊な表れ方を紹介し、来場者は興味深く聞き入っていました。

また、「私の日本研究」と題する特別企画において、井上章一教授の司会のもと、猪木武徳所長をはじめ4名の教員が、自身の最新の研究について種々のエピソードも交えて成果発表を行い、盛況の中一般公開行事を締めくくりました。

「怪異・妖怪画像データベース」の解説をする小松教授
6月16日(水)当センターにおいて「怪異・妖怪画像データベース」の公開についての記者発表会を開催しました。
「怪異・妖怪画像データベース」は当センター小松教授と山田准教授が中心となり研究室のスタッフが、江戸時代から明治時代にかけての絵巻物など絵画資料から抽出した「妖怪」の画像と詳細情報を3年をかけてまとめたものです(6月16日現在の掲載画像数は1,826点)。

妖怪の呼称だけでなく、容姿、持ち物、しぐさ、色等を文字で入力することにより、それにあてはまる妖怪の画像と解説を見ることができます。同時に、画像が描かれている元の資料ともリンクされており、絵巻物や絵画など、資料全体の画像を閲覧することもできます。
■記事掲載された主なネットニュース(6月16日現在):
[Yahooニュース]
[時事ドットコム]
[東京新聞]


3月16日(火)日文研講堂で、ジェームズ バクスター教授退任を記念して第47回学術講演会を開催しました。猪木武徳所長の挨拶に続いて、まず稲賀繁美 日文研教授が『欧米で日本陶磁器はいかに愛好されたか?―19世紀後半の趣味の変貌と、世紀末芸術の誕生―』と題して講演しました。休憩を挟んで、ジェームズ バクスター 日文研元教授が『価値観と報酬―野球、経営、教育の日米比較―』と題して講演しました。当日は、400名を超える聴衆が熱心に聞き入っていました。

講演の後、バクスター元教授の日文研への長年にわたる貢献へ感謝の意を込めて、パトリシア・フィスター教授より花束が贈呈され、会場からは大きな拍手がわき起こりました。 講演の模様は、インターネット放送により国内だけでなく、海外にも発信されました。当日の放送内容は、ホームページに収録しています。


2月27日(土)日文研講堂で、第37回国際研究集会公開講演会を開催しました。テーマは、「都市文化とは何か―文化論からの日本『発見』―」。猪木武徳所長の挨拶に続く第1部では、村井 康彦 京都市美術館館長(日文研名誉教授)が、「日本の都市文化―生活文化論の試み―」と題して講演しました。
休憩ののち第2部に移り、「歌(うた)・酒(さけ)・宴(うたげ)―個人と集団―」のタイトルのもと、錦 仁 新潟大学教授、原田 信男 国士舘大学教授、パスカル グリオレ フランス東洋言語文化研究所准教授、及び白幡 洋三郎 日文研教授の4氏が活発な討論を展開しました。当日は、500名近い聴衆が熱心に聞き入っていました。講演の模様は、インターネット放送でご覧になれます。



昨今現代日本文学の新しい豊かな一側面となっている、外国人が日本語を用いて創作する文学についてのシンポジウムを文学研究者、外国人作家を招いて開催いたしました。
午前中は、研究者による外国人作家の文体や視点などをテーマにした発表、午後は作家による座談会で、作家のシリン・ネザマフィ氏(イラン)、詩人で翻訳家の田原氏(中国)、作家の楊天曦氏(同)、詩人のボヤンヒシグ氏(中国・内モンゴル自治区)が、自身の創作経験を話されました。この場では、彼らが今まで公表しなかった外国語で書くことの意味、可能性など貴重な発言を聞くことができ、ひじょうに興味深い内容の座談会となったことはいうにおよばず、研究的な面でも「日本語文学」という新しい研究分野にとっても貴重な資料となりました。
会場には、研究者、国内外の大学院生・学生、報道関係者など多くのオブザーバーが詰めかけ、今回のシンポジウムのテーマへの関心の高さがうかがえました。



2010年1月20日(水)、日文研セミナー室において、報道関係者との懇談会を行いました。 この懇談会は、報道に携わる方々並びに地域自治会広報部の方々へ日文研の研究活動状況について報告を行い、日文研への理解を深めていただくとともに、広く情報を交換し、親睦をはかることを目的に毎年開催しているものです。

今回は今年度3回目の開催となり、主要報道機関の大阪本社、京都総局等から7社10人の担当記者の参加がありました。
懇談会前には、図書館、第一共同研究室などの施設見学を行いました。図書館では資料課職員による所蔵している貴重書についての説明に、参加した記者は熱心に耳を傾けていました。
懇談会では、猪木武徳所長による年始挨拶の後、牛村圭広報委員会委員長(教授)の司会のもと、各担当教員から最近の研究活動状況について紹介・報告を行いました。
内容は次のとおりです。
続く質疑応答では、海外における日本研究の現状や今後の日文研の活動方針等について質問があり、その後記者・教員双方から活発に発言がなされ、予定時間を超えるほど充実した意見交換が行われました。
懇談会終了後には茶話会が開催され、和やかな雰囲気の中で歓談、親睦を深めました。



小学生にも日文研における研究活動の一端に触れてもらおうと、昨年12月から本年1月にかけて近隣の京都市立桂坂小学校5、6年生に出前授業を実施しました。
これは、地域連携の一つとして例年実施しているもので、今年度で14年目となります。今回は、8クラスで授業を行いました。

5年2組では、牛村教授が「比較文化の楽しみ」というテーマで授業を行い、「その国の人にとってはあたりまえのことが、ほかの国から来た人には新鮮に、ときには衝撃に思えることがある。」と他国での自らの体験談なども披露しながら説明し、日本に暮らしているだけでは見えてこない日本の様子を、子どもたちと一緒に考えました。そののち、江戸時代のオランダ使節に随行したドイツ人医師の旅行記録に描かれた日本の様子、幕末の遣米使節団のハワイやワシントンでの記録、そして福沢諭吉の自伝のなかの外国での見聞の回想などを通し、異文化を観察することや理解することの実例を紹介。子どもたちからも活発な発言があり、楽しく授業が行われました。
今年度実施した担当教員と授業のテーマは次のとおりです。
| クラス | 担当教員 | テーマ |
|---|---|---|
| 5年1組 | パトリシア フィスター | 尼僧たちと御所文化 |
| 5年2組 | 牛村 圭 | 比較文化の楽しみ |
| 5年3組 | 森 洋久 | 地図の話 |
| 5年4組 | 松田 利彦 | 朝鮮学校って何? |
| 6年1組 | 倉本 一宏 | 平安京のはじまりと秦氏 |
| 6年2組 | 戸部 良一 | 歴史を学ぶおもしろさ |
| 6年3組 | 細川 周平 | 手塚治虫の世界 |
| 6年4組 | 末木 文美士 | こころのひみつ |

11月27日(金)日文研講堂にて、伝統文化プロジェクト公演会「二人のマリアと葵上」が開催されました。上方の地歌舞に基づく宗教的な舞踊劇の試みで、キリスト教におけるマグダラのマリアと『源氏物語』の葵上がテーマでした。公演の第一部では、古澤侑峯(地歌舞古澤流家元)、上村敏文(日文研客員准教授)、笠谷和比古(日文研教授)の三氏により、「二人のマリアと葵上における女性像」と題する鼎談が行われました。

第二部では、演出・構成上村敏文氏、作曲原夕輝氏による舞踊劇「マグダラのマリアと葵上」を、古澤侑峯(地歌舞)、林香純(披講)、雲龍(笛)、KNOB(ディジュリドゥ)、yasuski(アフリカ民族楽器)の五氏が上演しました。また、大内山香雅氏(薫香・香雅流家元)の協力を得て、場内では香が薫かれ、観客をより深い幽玄の世界へと誘いました。当日は、350名余りの観客が熱心に舞台に見入っていました。公演の模様は、インターネット放送により国内だけでなく、海外にも発信されました。(当日の放送内容は、日文研のホームページに収録されています。)

日文研では、海外における研究活動・研究協力活動の一環として、毎年海外シンポジウムを実施しており、今年度は11月3日、4日の2日間にわたりジャワハルラル・ネルー大学(インド)との共催で、シンポジウム「アジア新時代の南アジアにおける日本像―インド・SAARC諸国における日本研究の現状と必要性」を同地で開催しました。南アジアと東アジアとは、古代以来、海陸のシルクロードを通じて、仏教の伝来を代表とする密接な交流関係があり、近代においても政治・経済・文化などの諸方面において国際関係を深めてきました。本シンポジウムは、このような歴史的背景のもと、南アジアと日本における日本研究の諸成果を交換して相互刺激を与えつつ日本研究の推進をはかるとともに、より密接な交流ネットワークの構築を目的として開催されました。
仏教文化、近現代文学、視覚芸術、政治・経済・社会学、南アジアの日本文化受容、考古学の6セッションにおいて、インド・スリランカ・ネパール・バングラディシュ・日本から25件の研究発表がなされ、活発な議論が交わされました。南アジアにおける日本研究の着実な進捗を確認するとともに交流を深め、本シンポジウムは盛会裏に終了しました。


10月29日(木)に今年で19回目となる「一般公開」を開催し、秋晴れの下、400名を超える方々が訪れました。この催しは、日文研の日頃の研究活動を広く社会一般に紹介するために、毎年秋に実施しているものです。



文化資料研究企画室による「日文研古地図データベースの紹介−京都の古地図」と題したセミナーでは、日文研が所蔵する古地図のデータベースの作成及びその活用についてわかりやすく紹介し、併せて所蔵資料の展示「京都の古地図と名所図会」も行いました。

また、磯前順一准教授による講演会「他者と出会うために−日本文化の論じ方」、海外研究交流室教員によるミニシンポジウム「画像が語る近世、近代の民俗と宗教」、松田利彦准教授による「教員の新著・研究をめぐって−一般参加者との歓談会」を行い、参加者から講師や発表者に熱心な質問が投げかけられる場面も多く見られました。
このほか、教員の案内による施設見学、恒例のオリジナルカレンダープレゼントなど各企画とも多数の参加者があり大変盛況でした。
なお、講演会「他者と出会うために−日本文化の論じ方」の内容は、インターネット放送でご覧になれます。
このほどベトナム社会科学院で行われた「東南アジア日本研究学会第2回国際シンポジウム」に参加する形で、日本研究会を開催しました。


このシンポジウムは、2005年に発足した東南アジア日本研究学会が、2年に1度東南アジア各国の日本研究者及び日本からの研究者を招集し開催しているものです。シンポジウムでは、猪木所長が「日本研究の新しい展開」と題して基調講演を行い、分科会で白幡副所長が「文明開化と保護−近代日本におけるお雇い外国人の貢献」、宇野教授が「GPSとGISを用いた日本の考古学研究」、小松教授が「日本における妖怪文化の伝統と創造」、稲賀教授が「小松清・木下杢太郎とヴェトナム」、郭准教授が「司馬遼太郎のベトナム観」、ブリーン准教授が「明治天皇のアジア外交」について研究発表を行い、質疑応答では時間を延長するほどの活発な議論が交わされました。シンポジウム参加者に向けて日文研が出版する学術論文集Japan Reviewおよび日文研教員が教育を担当する国際日本研究専攻(総合研究大学院大学)の紹介も行い、日文研の広報活動においても有意義なものとなりました。


また、ベトナムにおける日本研究ネットワーク形成のため、国際交流基金ベトナム日本文化交流センター、フエ外国語大学日本言語文化学科、ベトナム国家大学ホーチミン校日本研究センター、及び在ホーチミン日本国総領事館を表敬訪問し、ベトナムにおける日本語教育と日本研究の現状について活発な意見交換を行いました。今回の訪問で、日本研究基盤形成に不可欠な人脈網を新たに形成することができました。
国際日本文化研究センター(所長 猪木武徳)は、11月20日と21日の両日にわたりベトナム・ハノイにおいて、日本研究会を実施しました。日本研究会は、海外の日本研究機関との萌芽的交流、若手日本研究者への研究相談など、日本研究の萌芽的地域において実施することによって、海外における日本研究基盤形成の促進を図るものです。
11月20日には、ハノイ大学を訪問し、ルーアン学長から日本語専攻の修士課程設置を含む日本語学科の今後の充実について協力要請があり、日文研はこれを了解しました。

ハノイ大学は、文化・語学系大学として正規学生数7000人を有する同国において最大規模の外国語系大学で、現在、大学院修士課程としてフランス語、英語、ロシア語、中国語の各専攻があり、これに日本語専攻を新規に設置する計画とのことです。また、21日には、「ハノイ大学日本語教育開始35周年記念国際シンポジウム」が開催され、総会講演では猪木所長が「日本研究における日本語教育の意味−社会科学を中心に」、白幡副所長が「外国における日本研究のありかたと問題点−北京での大学院教育の経験から」、郭准教授が「ニュージーランド・オタゴ大学における日本語教育と日本文化研究」を講演しました。また、分科会ではバスキンド海外研究交流プロジェクト研究員が「黄檗禅における禅浄双修」の報告を行いました。総会・分科会とも多くの教員・学生の参加があり非常に盛況でした。


日本研究会として、その他、ハノイ国家大学、ベトナム社会科学院を訪問し、日本研究に関する懇談を行いました。

ハノイ国家大学のカーン学長と猪木所長との懇談では、同大学の研究者を日文研に派遣したい旨の要請があり、これを了解しました。また、ベトナム社会科学院のナム院長と猪木所長との懇談では、同院の東北アジア研究所に日本研究拠点の設置計画への協力要請があり、日文研としてできる限り協力することで合意しました。なお、ハノイ国家大学は、人文社会系分野では、同国でトップレベルの大学であり、また、ベトナム社会科学院は、ベトナム政府直轄研究所として同国政策に影響力を有する研究機関です。今後、日文研が日本研究部門及び日本研究者の人材養成に関して、ベトナムに積極的に協力していくことは、日本・ベトナム両国のさらなる学術交流の発展のためにも非常に重要な意義があるものです。
国際日本文化研究センター(所長 猪木武徳)は、先般、平成20年10月30日(木)に日頃の研究活動を広く社会に還元するため、「日文研一般公開」を実施しました。この日文研一般公開は毎年秋の紅葉の時期に実施されるものです。

平成20年度は、特別企画として「教員の新著・研究をめぐって−一般参加者との歓談会−」を実施し、日文研教員の井上章一教授、小松和彦教授が一般参加者と忌憚無く語り合うという非常に画期的な内容となりました。

講演会「西洋人の見た日本」では、講師のフレデリック・クレインス准教授からは、16世紀から幕末までに、どのような日本情報がどのように西洋に紹介され、それによって西洋における日本観がどのように形成されてきたのかを所蔵資料のビジュアル画像により説明がありました。
また、講演会場に隣接する講堂ホワイエでは、「フランス人の見た日本−日仏交流150周年記念−」の日文研所蔵資料の展示があり、講演会内容とも重なる展示も数多く出展され、一般参加者を魅了しました。
その他、ミニシンポジウム「世界から見た日本研究」、文化資料研究企画室セミナー「古事類苑データベースの紹介」、カレンダープレゼント「日文研とツーショット−あなたの写真入りカレンダーをプレゼント」、図書館や国際シンポジウムの開催会場である共同研究室の施設案内などの催し物もありました。約400名の一般参加者には、「秋深まる京都桂坂の地で、充実した楽しい時間を過ごすことができた」と大変好評でした。


国際日本文化研究センター(日文研所長 猪木武徳)は、秋深まりつつある去る10月28日(火)に、日文研セミナー室1において報道機関各社との「秋の報道懇談会」を実施しました。当日は、主要報道機関の大阪本社、京都総局等から担当記者が集い、日文研所員と和やかな雰囲気の中で交流を行いました。
白幡洋三郎副所長の挨拶の後、小松和彦広報・出版委員会委員長(教授)の司会により、日文研の研究活動・行事紹介についてスライド・資料により担当教員から順次紹介を行いました。


紹介内容は次のとおりです。
(1)サンパウロ大学との共催によるブラジル海外シンポジウムの開催報告(細川周平教授)、
(2)日文研一般公開の実施(小松和彦教授)、
(3)第35回国際研究集会の実施(鈴木貞美教授)、
(4)学術講演会、日文研フォーラムなどの予定(小松和彦教授)。
日文研では、このように国内外の日本研究者の学術研究に資するために様々な研究活動を実施するとともに、一般公開、学術講演会、フォーラムの開催を通じ、研究成果を社会に還元する情報発信も行っています。


結びの挨拶では、猪木所長がヨーゼフ・クライナー氏(ドイツ・ボン大学名誉教授)の言葉を引用しつつ、「経済・金融が多難なこの時期こそ、日本政府は、学術・文化交流に力を入れることが大切であり、報道機関もこのことを発信して欲しい」と、国の将来のためにも学術・文化交流の重要性を強調しました。

懇談会終了後、所員と報道機関各社記者との茶話会が開催され、個々に忌憚のない意見交換と交流を深めました。
大学共同利用機関法人人間文化研究機構では、国際日本文化研究センター所長 片倉もとこ氏が平成20年3月31日で退任することに伴い、選考の結果、次期所長に同センター教授 猪木武徳氏を選出しましたのでお知らせします。
なお、次期所長は、機構長が平成20年4月1日付けで発令し、任期は4年となります。

国際日本文化研究センター(日文研)は、6月26日、報道機関各社に対して、怪異・妖怪データベースを同日付でリニューアルするとともに、怪異・妖怪画像データベースの構築にも着手したことを発表しました。

日文研では、全国各地の怪異・妖怪伝承に関して収集した研究情報を社会に還元するため、2002年からホームページ上で一般公開し、多方面から関心を集め、これまでのデータベースへのアクセス件数は、77万件にものぼっています。従前、このデータベースの事例件数は22,738件でしたが、この度のリニューアルにともない約1.5倍にあたる35,701件に飛躍的に拡充しました。この事例件数の大幅な拡充は、全国の都道府県史のうち民俗編に該当する巻号を設定しているものの中から、怪異・妖怪伝承の事例を掘り起こし、網羅したものです。なお、このデータベースは日本文化研究上他に例を見ないものであり、内外の日本文化研究者にとって非常に画期的なものとなりました。また、検索画面においても簡単に絞り込み検索ができるように改善しました。

本プロジェクト代表者である小松和彦教授は、「今後、日文研が所蔵する怪異・妖怪画像のデータベースを構築し、日本の豊かな妖怪文化を世界に発信するとともに、将来的には妖怪辞典の刊行も目指したい」と抱負を語りました。



国際日本文化研究センター(日文研)は、昭和62年に文部省大学共同利用機関として設置され、今年が20周年に当たることから、創立記念日の5月21日に創立20周年記念式典など記念行事を開催しました。

日文研講堂で執り行われた記念式典には、文部科学省をはじめ、大学・研究機関関係者、地元自治体関係者など約百五十人が出席しました。
主催者側挨拶として、はじめに石井人間文化研究機構長から挨拶があり、続いて、片倉日文研所長が「新しい視点からの独創性が絶えず求められており、その期待にそうよう努めていく所存です」と挨拶しました。
引き続いて、来賓祝辞として、はじめに林文部科学審議官から池坊文部科学副大臣祝辞が読み上げられました。続いて桝本京都市長から祝辞がありました。



式典に先立ち、同講堂において創立20周年記念講演会が開催され、梅原日文研顧問(初代所長)が「20年をふり返って」と題して、ロンドン・スクール・オブ・エコノミックス特別研究員のロナルド・ドーア氏が「日本近代化論再訪」のテーマでそれぞれ講演を行い、一般市民を含む600人以上が聴講しました。
また、式典終了後には、同さつきホールにおいて記念祝賀会が開催され、招待者、現職の教職員が和やかな雰囲気の中で思い出話や日文研の将来像を語り合いました。なお、祝賀会には、京都市立芸術大学の院生らによる室内楽及び独唱が花を添えました。また、日文研の所蔵資料を基に制作された刊行物等が出席者に配布されました。



昨年度、旧「日中歴史研究センター」(平成17年閉鎖)の所蔵図書約4万件が、国際日本文化研究センター (以下、「日文研」)に寄贈されました。現在、利用に供すべく整理作業を行っています。
「日中歴史研究センター」が存続した10年間(1995-2005)に収集された資料は、日中戦争関係資料をはじめ、中国に関するさまざまな領域にわたるものです。とくに、近現代の地誌・歴史および統計・年鑑が充実しています。
今年度は、図書を中心とした1万冊の資料整理を予定しております。全体の整理が済むまでにはもう少し時間を要しますが、日本と中国に関する共同研究や連携研究での活用が期待されます。


