第三十三番谷汲山華厳寺
岐阜県揖斐郡谷汲村徳積23

宗派=天台宗
札所本尊=十一面観音
開山=豊然上人
開創年代=延暦十七年(798)


 西国巡礼の結願所となる谷汲山は、最も東に位置する札所である。
 寺伝によると、奥州会津郡黒河郷富岡の大口大領という人物が、京都で十一面観音を刻ませて郷里へ持ち帰る途中、谷汲で尊像が動かなくなった。大領は、ここを結縁の地と考え、すでに修行していた豊然上人とともに一寺を建立して、観音像を祀った。延暦十七年(798)のことで、寺近くの谷間から油が湧き出て、仏前の燈明に事欠くことはなかったという。後に、醍醐天皇がこの話を聞いて、谷汲山の山号を贈り、華厳寺の扁額を下賜した。
 巡礼は、谷汲山で満願になると、本堂の柱に懸けられている青銅製の精進落としの鯉に手を触れて、巡拝期間中の精進潔斎の生活から解放される。そして、本堂の左手にある笈摺堂に、巡礼の折に着用した笈摺、菅笠、杖などを納めることになっている。

井上隆雄氏蔵

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