第十五番新熊野山観音寺(今熊野)
京都市東山区泉涌寺山内町32

宗派=真言宗泉涌寺派
札所本尊=十一面観音
開山=弘法大師
開創年代=弘仁十年(819)


 現在は泉涌寺の山内にあり、塔頭寺院の一つとなっているが、泉涌寺よりも歴史は古く、かつては広大な境内を有していた。
 弘法大師がこの地に巡錫した時、老人に化した熊野権現から十一面観音像を授けられ、「観音有縁の地であるので、祀るように」といわれた。さっそく嵯峨天皇に奏上し、十一面観音を中尊に、不動明王と毘沙門天を両脇侍として安置した。
 院政期に入って熊野信仰が盛んになると、後白河上皇は麓に熊野権現を勧請。当寺をその本地堂としたため、今熊野と呼ばれるようになった。永暦元年(1160)のことである。
 寺勢はさらに増し、最盛期には二十町四方の境内地を擁して、各所に二十八の荘園を持つ大寺だった。しかし、応仁の乱で全山灰燼に帰し、荘園も失った。現在の境内は元奥の院があったところで、麓には新熊野神社があるが、寺とは別れている。

井上隆雄氏蔵

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