第十二番岩間山正法寺(岩間寺)
滋賀県大津市石山内畑町

宗派=真言宗醍醐派
札所本尊=千手観音
開山=泰澄大師
開創年代=養老六年(722)


 越前出身の泰澄大師は、白山を開いたことで知られている。養老六年(722)元正天皇の病気平癒の功があったとして、泰澄大師に七堂伽藍の建立が認められた。大師は当山の桂の大木のもとで、終夜千手陀羅尼を唱えていると、木のなかに千手観音の姿を感得した。そこで大師は、この大木で観音を刻み、祀ったという。
 そのころ、この山にはしばしば雷が落ちて、伽藍が焼失することがあった。そこで大師が法力で雷を捕まえると、「仏門に入れてもらおうとして来るのだが、いつも雷火のため迷惑をかけてしまう。これからは、この寺に参る者には、雷は落ちない。本尊への水も差し上げる」といい、爪で岩をひっかいて水を出した。以来、雷除けの観音とされ、四月十七日には雷神祭りが行われる。
 また、本尊は衆生済度のため、一晩中駆け巡るので、朝には全身が汗で濡れているという。そのため、汗かき観音と呼ばれている。

井上隆雄氏蔵

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