第八番豊山長谷寺
奈良県桜井市初瀬731-1

宗派=真言宗豊山派
札所本尊=十一面観音
開山=徳道上人
開創年代=神亀四年(727)


 登廊によって本堂に至る参道は、西国札所のなかでも、威容を誇っている。また、牡丹の名所としても、有名である。
 「籠もりくの初瀬」と呼ばれ、古代の葬送の地だったところに、朱鳥元年(686)道明上人が基礎を築いたとされる。
 また、『今昔物語集』などには、観音造像の伝説が記されている。ある時、大水のため、近江国高島郡に大木が流れついた。この大木を、徳道上人が七年間にわたって礼拝。神亀四年(727)藤原大臣房前の助力によって、十メートル余りの巨大な十一面観音像を造像した。
 その後、数度の火災にあい、現在の本尊は、天七年(1538)仏師実清良覚の作と伝えられている。右手に錫杖と念珠、左手に蓮華のある水瓶を持つ独特の姿で、長谷寺式観音と呼ばれて、観音と地蔵の両尊の功徳を表しているという。

井上隆雄氏蔵

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