第六番壺阪山南法華寺
奈良県高市郡高取町壺阪3

宗派=真言宗豊山派
札所本尊=千手観音
開山=弁基上人
開創年代=大宝元年(701)


 『南法華寺古老伝』によると、奈良元興寺の弁基上人が、大宝元年(701)この山に登り修行をしていたところ、秘蔵の水晶の壺のなかに、観音の姿を感得した。そこで、この壺を坂の上に祀り、観音像を安置したという。
 近代以降壺阪の観音は、特に眼病平癒で知られており、『壺坂寺霊験記』が有名である。当寺の近くに住む座頭の沢市には、お里という美しい女房があったが、毎晩出掛けるので嫉妬していた。ある日、後をつけていくと、お里は夫の目が開くように、観音に祈願していた。そのことを知った沢市は、女房が不憫になって、谷に身を投げ、お里もその後を追う。ところが、観音の霊験により、二人の命は助かり、しかも沢市の目も見えるようになったといわれる。
 現在では、盲人用養護老人ホーム慈母園など、福祉事業にも力を注いでいる。また、巨大なインド招来の大観音でも有名である。

井上隆雄氏蔵

(C) 2001 International Research Center for Japanese Studies, Kyoto, Japan. All rights reserved