画面上部には、右手に中国風の扇、左手に宝珠を持った女性が描かれる。その頭に、朱色の鳥居ととぐろを巻いた蛇の姿をとる宇賀神を戴くことから、弁財天であると比定される。更にその足許には、琵琶を船の上へ落とした瞬間の稚児が描かれる。取り落とした四弦琵琶は、霊験譚によれば、仲算上人から譲られたものであり、後に竹生島に収められたものである。弁財天と稚児は、画面右上部から流れる雲気の上に配され、稚児の傍らには鉢と猫足の台が置かれている。
 
廣重美術館蔵

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