この画面には、鎧をまとった二人の武将が描かれている。右側の人物は椅子に座って槍を持ち、左側の人物は刀の切っ先を地面に付けて立っている。両者は赤松氏範の家臣である伊藤民部と今村五郎であり、地面に座って泣いている少年は、氏範の子、乙若丸である。霊験譚には赤松氏範と題されているが、画面の中に氏範は登場しない。この画面は、氏範が自害した後、乙若丸たちが薩摩へと落ち延びて行こうとする場面を表現したものである。
 
廣重美術館蔵

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