この画面は三人の人物から構成されている。右側の小袖を着た少年が、多田満仲の息子である美丈丸であり、左側の合掌して正座している少年が幸寿である。また中央で、太刀を抜きかけている人物は、幸寿の父であり、満仲の家臣の仲光である。出家を拒んだ美丈丸を殺すよう命じられた仲光は身代わりに息子幸寿を斬ろうとする場面。主君の子供の身代わりに家臣の子供が犠牲になるという話は、歌舞伎『菅原伝授手習鑑』寺子屋などと同様である。画面左下の手燭が父子を照らし、上方の扁額部へと広がっている。
 
廣重美術館蔵

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